鉄の融解温度って知ってる?
遅くなってしまいすみません
キメラへと駆け出した俺は次空間魔法の準備をする。
しかし、キメラがそれを許すはずもなく頑丈な岩でさえも抉りとるような鉤爪を俺へ振りかざす━━
━━しかしそのキメラの爪が空を斬る
キメラは完全当てたと確信していたため次の行動に移る状態でその場で固まる。
その間僅か0.1秒ほどだったが狙いを定めている状態でそれだけ隙があれば俺でも当てられる。
そして次の瞬間流星の如きナイフがキメラへと吸い込まれていき深々と腹部に刺さりドクドクと血をキメラから絞り出す。
「Grrraaaa?!」
流石に今のはキメラでも応えたようで悲鳴をあげこちらを睨んでくる。
睨むキメラにニヘラッとした顔で返すと一目散にキメラとは違う駆け出す。
キメラは腹部にナイフを刺され相手が逃げ出したことから怒りに支配され血眼になって俺の事を追ってくる。
おお、こわいこわい。何血眼になってるんだか、まぁ俺がやったんだけどね。
ちなみに後ろではキメラが空を斬りまくっていて少し面白いことになっている。
よし、そろそろ被害が出ないくらいの距離にっ?!
突然膨大な熱量を感知し横へ飛び込み回避を図る。すると先程までたっていた場所は黒く焦げ、煙と焦げ臭い匂いを撒き散らしていた。
「Guuuurrrrrrr!!」
先程まで空を斬るしかしなかったキメラが手当たり次第に急に火炎を吹き始める、どうやら何回かやって見えている俺が偽物だとわかったようだ。
そんな適当にやってるとナイフが飛んで来るぞ?
━━ヒュンヒュンヒュン
複数のナイフがキメラへ向かって飛んでゆく、それはまるで流星群のように。
しかし、キメラはその流星を自らの炎で溶かす事で易々と回避する。
「おいおい、あの炎いったい何度なんだよ?!あのナイフは鉄製らしいから1500度以上は確実にあることになるぞ?!………あ」
「Graaaaaaaa!!」
やらかした。
ルア「はいはーいいつものいってみよー」
シフ「あぁぁ!ルアンさん!」
ルア「今回はこれだ」
幻影魔術
魔力を使い、世界に鑑賞することで自分の思ったものを見せることが出来る。
ただし、幻影魔術取得者と格上には効き目が薄い。
ルア「チートだよな」
シフ「ルアンさんが使えば殆どのものがおかしな性能を発揮すると思いますけど……」
ルア「ああ、それと今シファーが見てるの幻影だから」
シフ「え?!あ、触れない……私ずっと一人で……」
ルア「いや、こっちにいるぞ?」
シフ「おひらきです!!」




