人魔対戦開幕
盾と爪が当たり合う音や人ならざる物の叫びにもならない叫び声、肉の弾ける音、肉を貪る音。
不快になる全ての音が俺の耳を腐らせる。
その間前衛職は前方で後衛の守り、後衛は魔法を唱え必死に殲滅に徹しようとしている。
「駄目だ!!こいつら切っても切ってもまだ立ちgarrrrrr?!」
「もう駄目だ!!勝てっこねぇ!!」
「何なんだよこいつら!!」
現状を一言で説明するとしたらこうだ。
バイオハザード状態
〜〜〜
時を遡ること数十分
戦場へとついた俺達は無事王と合流することに成功はした。
━━しかし、それは王であり王ではなかった。
「王!!ご無事ですか!!」
まず親衛隊の方々が王の元へよりその次に依頼を出した騎士が王へと近寄って行く。
しかし、王は返事をせず動きもおかしかった、王の動きをみて俺はデジャブを感じていた。
それは気持ち悪く人から恐れられ、人を貪るアレそのものの動きであった。
「離れろ!!それはもう王なんかじゃない!!」
俺の忠告はひと足遅くまず騎士が喰われた、次に近くにいた親衛隊が肉を抉り取られ苦痛に顔を歪める。
「全員触れるな、喰われるな。あの状態に至ったものはとにかく頭を潰せ!!」
俺がそう叫ぶと冒険者達は狂った様に頭を潰す。
しかし、それだけで終わってくれるはずもなかった。
ここは戦場、死体などいくらでもあるそれに気付くのが遅れたせいで王だったものの頭を潰すのに夢中な冒険者達は周りの敵兵と味方兵だったものに気付かなかった。
「ひっ!く、来るなぁァ!!」
「どういう事だ!!」
もしかしたら魔法の類かも知れない、魔術の真理を使えばわかるかもしれない!?
ユニークマジック
死体達の大狂宴
1体の触媒から負の魔力を相手に与える事によって触媒が殺した死体をリビングデッドへと変貌させる。
おうふ、クソ能力じゃねぇか!まさか異世界でバイオハザードを体験することになるとはな………。
「前衛は死なないことを第一に考えて奴らを止めろ!魔法使いは範囲魔法を三部隊に分かれて交代交代に発動しろ!!」
この作戦はかの有名な三段撃ちを真似たものだ、言うならば異世界三段撃ちってところだ。
「アーチャーはあいつらの頭を狙え!!多分人間と同じだから頭が弱点だ!!」
今はめんどくさいとか言ってらんないな。
「この戦いはどれだけ死なないかが鍵になる!誰かが死んでリビングデッドになれば戦線崩壊だ!気張っていけ!!」
こうして死体軍団対冒険者軍の戦いが始まることとなった
シファーちゃんの解説コーナー!!
シフ「今日紹介するのはこれ!」
狂化
バーサーカー専用スキル
血を見ることで自身のあらゆるリミッターを外し膨大な力を得る。
しかしその代償に理性が無くなる
ルア「俺のはこれとは少し違うみたいなんだよな」
シフ「感情で発動してるんですよね、しかも理性を保つことが出来ると」
ルア「思ったんだけど狂化って狼男みたいなものなのかな?」
シフ「あながち間違ってないと思いますよ?おっと、そろそろお開きです。また次回お会いしましょう」




