不思議な女性
「ルアン、君は何を考えているんだ?私達はこれから戦争に行くのだぞ?なのに何故猫になる首輪や声を変える道具なんて買っているんだい?」
「役に立つから」
「それの何処に役に立つ要素があるんだ!」
「これだから頭の硬いのは嫌いなんだよ…」
「君がそこまでアホだとは思わなかったさ!」
「まぁまぁ、落ち着くのだ。こんなのでもルアンは変なところ限定で頭がいいから任せた方がいいのだ」
よし、さっき買った道具が早速役に立つぞ。
〜〜〜
「た、確かにルアン君は恐ろしいな……」
「まだ少し金残ってたよな?」
「まぁまだ残ってるけど、何買う気?」
「いや、ちょっと図書館にでも寄ろうかとね」
「はぁ?!ルアン君、君って奴は……私達はすぐ戦争に行かなければならないんだぞ?!」
「だからだよ、悪いけど先にファル達を見つけて合流しといてくれ俺は後で合流する」
「はぁ、本当に自由な奴です。じゃ、先行ってやるです。」
「ルアンだししょうがないか、お先ー」
「君は本当に本当に何を考えているんだ………戦争を放棄するなんて言わないでくれよ?」
「だから戦争を生き残るために行くんだっての!!」
エル達と別れ街に入ってから気になっていた図書館へ向かう事にした。
〜〜〜
「おぉぉぉすげぇ!本がこんなに!ここは天国か!」
俺が叫んだ事で司書さんがこちらを見てくるがこの図書館を褒められて悪い気はしなかったのであろう。
「すみませんちょっといいですか?」
「はい、何でしょう」
「魔導書が見たいのですがどうすれば見れますか?」
「一般の人に見せられる魔導書はあちらになります。更に上を御所望なら登録をしていただく必要があります」
「登録するにはどうすれば?」
「ここで図書カードを作っていただいて三の月事に金額二枚を支払って貰う事になります」
「じゃあ、カード作ってもらいます」
━━━図書カード作成中━━━
「次回からはこのカードを見せてくださいね、登録者には二階を開放していますのでそちらに一般では見せられない上位の魔導書や歴史などの本があります」
「丁寧にありがとう」
司書さんからカードを受け取り二階へと上がっていくと魔法に関連する本を手に取り前の世界にいた時から鍛えていた速読スキルをフル活用して出来る限り魔法の知識をストックしてゆく。
その中で今俺が使えるものは生活魔法とちょっとした強化、弱化魔法くらいしかなかった。━実際には使えるのであろうが俺の今の魔力量だと一発放って倒れる未来しか見えない。
「はぁ、魔力量増える方法無いかねぇ…」
「その方法なら知ってるよ?」
俺が本を読みながら呟くと見知らぬ女性がそう言ってくる。
急に話しかけられたことと望んでいた方法を知っているとのが目の前にいる事で俺は目を見開き驚いた。
「その方法ってのを教えてくれないか」
「なんで知りたいの?」
「大切な仲間を守り抜くため」
「君は冒険者かなにかなのかい?」
「ああそうだ、だから俺が強くなってみんなを守れるようになりたい」
「へぇー、最近は自分のために強くなるやつばっかりだから君みたいな子は少し応援しちゃいたくなるね」
何を思ったのかのか彼女は口の端を少し吊り上げ腕を組みながら答えを返す
「でも、今は教えられる器じゃないかなー次会う時には教えてあげなくもないよ」
━━君の頑張り次第だけどね
彼女は踵を返し去り際に彼女は「あの戦争は普通じゃないから気を付けてね、死んじゃうよ?」と残し去っていった。
普通じゃないってどういう事だ?




