臨時クエストだ!!
剣と剣がぶつかり合う音があちこちから聞こえ手には汗が溢れ出る。
ある所からは魔法の詠唱が、あるあからは友を殺された悲しき叫びが、ある所からは士気を上げようとする声が聞こえる。
そんな中ある兵士と百戦錬磨の風格を持つ男が話し合っていた。
「王!!このままでは時期に押し込まれてしまいます!!ここは王だけでも!!」
「黙れ!!ここでおずおずと逃げ帰れるものか!!俺はこのまま戦うぞ!!」
風格に相応しい熊でさえ殴り殺せるよな強靭な肉体と一般兵士ですら失神してしまいかねない覇気を持つ男の咆哮とも言える叫びを受けた兵士は今にも倒れそうになりながらも声を振り絞る。
「ならば、私が援軍を呼びかけ戻ってきます!!」
「馬鹿野郎、こんな戦場の真っ只中お前だけで生かせるわけないだろう!!お前らこいつを護衛して戻れ」
「ですが、王!!」
「行け!てめぇを信頼してのことだ!上に立つやつが下のヤツらを信じれなくて何が王だ!!」
その後兵士と王の側近達はタマタビ公国へ向け出発する、
この選択をしなければこちらの軍が勝っていたというのに。
〜〜〜
時は少し過ぎ、タマタビ公国飛行場
そこには飛行船が数多く止まっている
その中には先程まで乗っていた飛行船もあり、活気がここだけで前の街よりも数倍はある。
「す、すげぇな……ちょっと俺胃が痛くなってきた…」
「マスターだいじょうぶ?」
「無理はダメだよ?」
「ファルとアスは優しいな……ありがとう、少し良くなった気がするよ」
俺は元々引きこもり野郎だったからこんな人がいるところに来るとストレスのせいで胃が痛くなることが多々ある。
まぁそれもこの二人のおかげで少しは楽になったが……周りの視線が痛いな……。
「お二人さん?そろそろ離れてくださらない?周りの視線が痛いんですが」
「いやだよ、周りなんて気にしてたらこの先持たないよ?」
「そうだよ、ルアン、これから私達はお父様のいる戦場に行くんだ、これの比にならない人の量だよ」
━━━帰りたくなってきた。
「流石に前に出る訳では無いだろ?ならギリギリ耐えられそうだ」
「なら良かった、これで行きたくないって言われたらどうしようかと思ったよ」
その瞬間エルが悪い顔で笑ったような気がした。
「エル、もしかしてなんか━━「臨時クエストだ!!」」
エルに問おうとしたところに狙ったかのように男の叫びが響いてくる。
「クエスト内容は現在行われている戦争への参加、報酬は戦果に関わらず金額三枚、場合によって報酬は上乗せだ!!」
「本気か?」
「今回はそこまで苦戦しているのか」
「これは国の危機ではないのか」
「終わりじゃあ!!もう終わりじゃあ!!」
「終末爺さん少し黙っててくれ」
「こりゃ参加するしかないな!」
クエストの内容を聞くと街の人々は各々叫んでいた。約一名おかしな爺さんがいるみたいだが。
「ルアン、参加しよう」
「まぁ、やるしか無いか」
こうして正式に戦争へ参加することとなってしまった。




