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あら可愛い

鳥のさえずりと朝日の眩しさに目が覚める、目を開くとそこには寝落ちしたいつもの二人にイレギュラーアウルがもたれかかっている。


この状況で立てるはずもないので前と同じ様に幻影魔法で物を創る練習をする。


まず薄く平べったい皿、そこに白米をのせその上にニンジンやじゃがいもなどをのせた茶色のドロドロとした液体をかけて完成させる。そう、これは子供から大人まで好きな人は好きなカレーライスだ。



この練習をしていて分かったことだが幻影魔法というものは自分の思った事をそのまま投写して見せる魔法らしい。


実際に細かいところまで考えて使えばその分の魔力の減りは増えるもののきちんと細かいところまで創り出せる。

逆に大雑把に考えると魔力の減りが減る代わりに雑に創り出せるという事だ。


要は想像力イマジネーションと魔力があれば白い悪魔だろうがピンクの悪魔だろうが創り自由自在に動かせるということだ。



「ふあぁぁぁ」

「おはよう」

「ふぁ?もはよふ〜」


寝ぼけているファルもいいね、それと他の二人はまだ起きないか。


ちょっといいこと思いついた。



「ファル、これ何?」

「ほわぁ?ほにく?」


そう、今ファルは目の前に肉があるという幻を見ているのだ。


「そうだよぉ?欲しい?」

「たへまふ」

「じゃあ食べていいよ?食べれるなら」

「あ〜む?あれ?なぃ?」

「元々無いよ?俺が作った幻影だから」


種明かしをするとファルはむすっとした顔で俺の手を手に取り親指を口に入れ甘噛みのようなことを始める。


「ファルさ〜ん何やってんの〜?」


かじかじかじ


ファルは声かけに応じずただただ親指を噛み続けるだけだった。

寝ぼけた状態だから出来ているのだろうが我に帰ったらどんな反応をすることやら。



〜〜〜



ふと、ファルの動きが止まった。

顔を見ると耳まで真っ赤に染めてフリーズしている。


「ファル?おーい、ファルさ〜ん」


何度呼びかけても返事が無いので脇腹をくすぐって気付かせる。


「ひゃい?!ななななんですか!」

「顔真っ赤だよ?」

「な、なんでもありません」


━━ガチャッ


「飯の時間です起きやがってくださ………くそが、消えやがってください」

「は?どういうこ━━」


━━バタン!!


何か俺したか?今の状況を少し整理してみようか。


まず二人が寄りかかって寝てる、これは何も問題ないだろう。

次にファルが顔を真っ赤にしてへたり込んでる、その口には先程まで甘噛みのようなことをしていた為唾液が付いている。

そして俺はファルに齧られてれていた為指が濡れている。


よし、問題なし。問題なんてなかったんや。


「うにゅぅ」

「ふぁーあふぅ」


先程のケトのドタバタで残りの二人も起きたようだ。


「みんな、朝ごはん食べに行くぞー」

「了解なのだ」

「おーけー」

「・・・」


元気に二人が駆けていくと俺はファルと二人部屋に残された。


「あの、その、指……ごめん」

「何で謝るの?別に怪我した訳でも無いし、逆に甘えてくれてるみたいでよかったよ?」

「むぅ………じゃあ、また甘えさせて……ね?」

「いいよ」

「じ、じゃあ、朝ごはん食べに行こうか」

「おう」


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