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弱気なナイフ

「うおっぷふぅ」

「だ、大丈夫?」

「うっぷ、おr━自主規制━」


流石に上下にハイスピードで揺られたら三半規管と胃が悲鳴をあげるわ………しかも1回どころか三回くらい落ちかけたし………うぶっ


『ご、ごめん。ちょっと調子に乗っちゃった』

『ファルはおばかさん』

『お前もな!』

『シファーも入れて皆おばかさんだと思うけど………』


どこの堕天使だか分からないが『私はおばかさんじゃないです!!』と言ってるように聞こえたが幻聴だよな、多分ハイスピードで上下に振られてたからそれのせいだろう。


『口を使って話せない』

『マスターそこはがんばって、げんきがあればだいたいのことができる』

『何かあってるような合ってないような……じゃなくて、これは口を開けたら負けだ、また更に出てしまう』

『ごめんなさい』


さっきのクレイジーフライトのお陰で街が何処にあるのか分かったから良しとしよう。


俺は口を開けられないので指をさして行き先を示す。


「あっちに行けばいいのだ?」


コクコク


三半規管がまた悲鳴をあげない程度に頷くとサムズアップして街のある方向へ進む。



帰り道は特に何も無かった。ただ鳥が囀り木々が揺れ風が頬を撫で緑が香るただただ平和な帰り道だ。


〜〜〜


「で、何でチキンランナーではなくフルムーンウルフを持って来たんですか?」


俺達は無事街に戻り冒険者ギルドにいた回復魔法を使える人に頼み腕を直してもらった後カウンターまで来ていた。


「こいつのせいでチキンランナーが逃げてしまったみたいで、多分もうあの森には1羽も居ないんじゃないかと思われます」

「はぁ、クエストは失敗ですね」

「そ、そうですね……」

「ですが」

「ですが?」


受付嬢さんが取り出したのは何かの紙を取り出しそれをスルスルと開いてゆく


「何ですか、これ」

「これは特殊討伐対象です」

「ほうほう、なるほどわからん」

「このモンスターには討伐報酬があるのです」

「おお!!しかし何故?」

「普段魔物は動物達と同じように暮らしていますしかし、その一部は好んで人を殺したり好んで街や村を壊す魔物もいます。あなたが今回討伐したのは村を二つ破壊した後討伐に向かった冒険者5名を殺害した後姿を消していました」

「そんな危険なやつだったのか」

「え?知らないで挑んだのですか?!」

「あ、はい……」


受付嬢さんが呆れを通り越して苦笑いでこちらを見てくる


「ま、まぁその話は置いといて。フルムーンウルフの討伐おめでとうございます、こちらが報酬の金貨五十枚です」

「ああ、ありがとうございます」


報酬を受け取ると少し離れたところで待っていたファル達と合流し飛行船乗り場へと向かう。


「ひこうせん………たのしみ」


あら可愛い基本無表情なアスが笑顔になるとギャップで物凄く可愛らしい。


「そりゃ良かった」

「早く乗るのだ!!我輩ワクワクしてきたぞ!!」

「飛行船かぁ乗るのは久しぶりだなー」


みんなが興奮しているなか一人だけテンションがドン底の人がいた。


「ひひひ、飛行船なんてのの、乗らなくていいよぉ………乗りたくないぃ……」

「ケトさん?大丈夫ですか〜?何時もの敬語だかなんだか分からない喋り方しないの〜?」

「うぅ……うるさい!!嫌なものは嫌なんですよ!!何でこんなものに乗りやがらなければならないのですか」


治っちゃった、さっきの弱気の方もよかったんだがな少しおしいことをしたかもな………。

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