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語られることのない小さな伝説

恐ろしいものを見た、それは早朝にクエストに出ていた時だった。

クエスト内容は森にある薬草をとってくる簡単なものだった。


薬草がある場所は森の中では比較的安全な場所だった、その理由はゴブリンや下位のトレントしか出てこないからだ。


なのに今回は運悪く森の奥の方にいるはずのツインアームベアーに遭遇してしまったのだ、その熊は2対の腕を持ち、その顎は人の骨など容易く砕き、その腕は街の城壁に穴を開ける程の腕力を持ちそれを4本の腕でくりだしてくる。


そんな凶悪なものに出会った━━


━━だが本当に恐ろしいのはこの熊ではなかった。



その熊に遭遇した時、ここで終わってしまうと思った。

しかし、次の瞬間一筋の光が木々を薙ぎ倒し、その熊の頭を消し飛ばした。


この時脳裏に浮かんだのは安堵ではない、あのツインアームベアーを一撃で屠った張本人に対し恐怖、憧れを抱いた。


しかし、この話をギルドの誰に言っても信じてくれることは無かった、なにしろあのツインアームベアーは危険度Aのレイド討伐対象だからだ、本来念入りに計画を立て、複数のパーティーで挑んでやっとかれるモンスターをただの一撃で倒せるはずがないのだ。


しかし、この目で見た、銀色の流星があの熊を屠る瞬間を、あの熊が成すすべもなく消される瞬間をそしてこの記憶は未来永劫心に刻み込まれるであろう。



〜〜〜



「ふぅぁぁぁ、マスターおはようのちゅー」

「なにしようとしてんだ?!寝ぼけてんのか?!」

「マスターてれてる」

「やかましい。おし、お前ら行くぞ」


阿呆の頭にチョップを入れてやると行動を開始すべく全員に呼びかける。


「マスターむしー?」

「はいはい、すりゃいいんだろ」


うるさい阿呆の額に一瞬口を当てさっさと用意させる。


するとファルもねだって来たので、ファルにも同じ事をしてやる。


「よし、今度こそあの鳥人間捕まえるぞ」

「今度こそ?と言うか顔赤いよ?」

「何でもない、忘れろ。さっさと確保してさっさと街に帰るぞ」



流石にああしないと言う事聞かない阿呆とはいえ、額にキスは恥ずかしいな。


恥ずかしさで少し顔が歪んでるのをキビキビ行動することで隠し冷静になる。



暫くして用意が終わった様なので出発する事にした。

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