魔法の実験をしてみよう
異世界初遭遇と魔楮狩りを終えた俺は少し前に覚えたケトの魔法を練習していた。
「ケト、この魔法ってどんな感じの魔法なんだ?」
「ものを中に入れる魔法です、こん中に物ぶち込んで好きな時に出せるです。更にこの中は時が止まっているのか暖かいものが暖かいまま出てくるです」
なるほど、ラノベでよくあるあれか。この魔法について少し考えた事があったが熱エネルギーがそのままなら運動エネルギーもそのままなんじゃないのか?
「何をしやがる気です?」
「ちょっと実験をね」
そういうと俺はナイフを取り出し魔法でつくった空間に投げ入れる。そこから別の場所にその空間の出口をつくると━━━
━━ストッ
その空間からは勢いのついたナイフが出てきた。
「おぉ!やっぱりな!」
「何がどういう事です?」
「ケトの説明のおかげで今までずっと考えてきたことがここに証明された」
困惑した顔を見せているケトをスルーし地面に寝っ転がる、するとそれを待っていたかのようにファルとアスが俺を枕にする。
「なにしてんの?」
「マスターはまくら」
「丸太じゃ固くて寝れません」
「俺は枕じゃないんだけど………てかファルに関しては普通に地面でも寝れるよね?」
「ひ、人型で過ごすようになってからは寝にくくなったんですよ!!け、決してルアンさんに寄りかかりたいなんて考えてませんから!!」
心の声ダダ漏れじゃん、まぁそうゆうことにしてやろう。今まで一人だったんだろう、その分妹のように可愛がってやればいいかな?━━前の世界で妹なんていなかったけど!!
その二人の行動を見てかイガラシやケト、邪神ちゃんまで俺のことを枕にし始める。
「あのさ、丸太が硬いのはわかったけどさ、俺は枕じゃねぇかんな?!」
「マスターうるさい」
よし、この状態が終わったらコメカミグリグリの刑だね。
処刑の時間が楽しみだ。
〜〜〜
日頃高校生活によって朝早く起こされているため、異世界でも早く起きてしまうようだ、辺りを見回すとまだ日が出てきてまもない頃だ。
体が重い、それは勿論頭が五個も乗っていれば重かろう。
まぁ、幸せっちゃあ幸せかもな。こんな美少女達に寄りかかられているんだから。だが流石にこれは重い重すぎる。
寝ようと思えば二度寝できるが異世界に来てまでそんな生活をする必要は無いだろう、またいつアモンのような奴が現れるかわからない。今は小さな事でもコツコツやってあんな奴らに怯えずに済むようにしないとな。
「取り敢えずまたあの魔法の練習してみるか……」
次空間の出口を地面に向けて開けナイフを出すとそれをキャッチする様に次空間の入口を開ける。
するとナイフは次空間の入口に入りすぐさま出口から出てくるを繰り返し次第に加速して行く。
この原理知ってる奴ってこの世界にどんだけいるんだろうな。
そんな事を思いながら入口の方向をそこら辺にあった木に向けナイフを飛ばす。
━━バキバキ!!
するとナイフは一直線に木々へと向かいその木々を薙ぎ倒していく。
「んぁ?敵襲ですか?」
「何事です」
「何かあったのだ?!」
「ふぁ?」
「…………」
突然の爆音に俺に寄っかかっていた四人は若干寝ぼけながらも飛び起きた、阿呆ゴーレムは動じずに俺にもたれ掛かったまままだ寝ている。案外こいつ大物だったりするかもな、いや阿呆なだけか。
「ごめん、魔法の練習してたんだ。起こしちゃったみたいだね」
「い、いや、木々がこんなに薙ぎ倒される魔法っていったい何さ……」
「ん?昨日やってた次空間魔法」
「あれは普通ものをしまったりする魔法だよ?!」
「あぁ、簡単簡単こうして入口と出口をつくってナイフを加速させて入口の方向を変えて放つ」
━━ビュン
「今回は説明用だからそこまで速さはないけどこんなふうにやったらこのありさま」
「そ、そんな使い方があったなんて………」
「これは本当にこいつについて行けば強くなる気がして来やがりましたね」
「ルアン、この情報売ってもらっていいかい?」
「駄目」
「えぇぇ」
「今やってわかったけどこれ結構危ないよ?変なやつに教えたら大変な事になる、だから駄目」
「そうだね……」
「もし教えようものならこのナイフが飛んでくると思うように」
「肝に銘じておくよ」
「よろしい」
さて、阿保の子が起きたら罠の確認にでも行くか。
元の投稿ペースに戻したいと思います
今毎日投稿をしようかと真剣(笑)に考えています




