役立たずの小鬼
ゴブリン達と出会い魔楮狩りに参加することになった俺は今
━━宙を舞っている
「お前らあとで覚えとけよぉぉぉ!?」
「自分で参加するって言ったんだこれ位はしてもらわないとな?」
そうゴブリンリーダーは言う
ゴブリン達と魔楮狩りに出る前まで話を戻そう。
〜〜〜
「魔楮狩りに参加するのはいいが辛いぞ?」
「どんとこいってんだ、こちとらドラゴンに噛まれたり悪魔に蹴っ飛ばされたりしてんだ今更魔楮ごときが何だってんだよ」
「お前も大変だな………まぁいいさ、何でもやるんだよな?」
「ある程度の事ならな」
「んじゃ、囮やってくれ」
「まぁ身体能力はいい方だからいいが」
「聞いたかお前らこいつがやってくれるってよ」
その言葉を聞いてゴブリン達は喜んでいる。
そしてそれと同時に俺は選択を間違えた気がした。
━━━否間違えていた
安易に引き受けた結果今俺は紐でぐるぐる巻にされバンジージャンプの容量で木の上から突き落とされた。
ここから冒頭に戻るわけだ
俺達が騒ぐと森の木々の奥から何やらドスドスドスと音が聞こえてくる。
「おいおい嘘だろ!?」
木々から出てきたのはトラック程のドス黒い色をした猪だった、中には軽トラや大型車のような大きさの猪もいる。
「おい早く引き上げてくんない!?あの大きさを絶対当たるから!!いや、お前ら祈ってるんじゃねえよ!!」
木の上にいるゴブリン達は俺の冥福を祈るように手を組み目を瞑っていた。
ふと猪共に目を向けると猪達はすぐそこまで迫っていた。
ヤバイッ!!
体を思いっ切り右に振ることで辛うじて擦る程度に被害を抑えることが出来たが━━
━━まだまだ来るな
次々来る猪に対し俺は体を左右に振ったり上体起こしをして避けている。
魔猪がある程度通り過ぎたところで腰に下げている刀で紐を切り地面に着地する。
「さっきは良くもやってくれたなウリ坊共が!!てことで処刑の時間じゃあ!!」
俺の叫びと共に猪達が走ってくる、それを右へ跳び側面を魂浄刀で斬りつける。
調べた所この刀は相手の魂を切り裂き肉体の中を殺す刀のようだ。いや、これ魂浄というか魂殺しちゃってるよ。
魂殺刀もとい魂浄刀で斬り裂いた魔楮は糸の切れた傀儡のように力無く倒れた。
この調子で斬っていけばいける
突進してくる猪の下に潜り込み腹へ刀を突き立て、猪が通り過ぎると、竜人並の脚力で飛び上がり回転斬りを頭から背にかけてお見舞するイメージはどこぞの兵長だ。
そんなこんなで体感時間五分騒がしかった森は静まり、そこには魔楮の山が出来上がっていた。
「んじゃこいつら貰ってくわ」
まだ祈りの体勢を崩さないゴブリン達にそう言い捨てると魔楮を4匹程回収して広場へ戻る。
そう言えばゴブリン全く仕事してなかったな。
今度からゴブリンは信用しないし、危害を加えるなら殺さずいたぶってやろ




