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第二チートの使い方

「ハァ、ハァ。アホか!!」

「ん?何がどうしたです?」

「何なんだよあの爆走は!!俺らをショック死させる気か?!」


ここはファル達が攫われたあの街だ、あのアジトからここまでの道のりを簡単に振り返ろう。


まず今はあちこち傷だらけの馬車が綺麗な状態だった時に俺達はナイフちゃんに轡を握らせた、まさかそこから地獄の大爆走になるとは思いもせずに。


まず発進した直後から猛スピードで走り出し、その時点でイガラシが馬車酔いを訴え始め、次に木々が生い茂る道を右に左に揺られて周りの木にぶつかりながらもスピードを緩めずに進み、行きに来るはずのなかった崖を方輪走行という名の絶妙なバランスで駆け抜け、最後に馬が馬車から外れ馬車のみで門へとフルスピードで突撃し門にぶつかる事で辛うじて止まることが出来た。


「まぁその、あれだナイフちゃんには絶対轡を握らせたらダメだ」

「あの人は色々おかしいです」

「うぅっ、絶対握らせたらダメ、うっ」


俺は気分が悪そうなイガラシの背中を摩ってやると虚空へ手を突っ込み水の入った水筒を手渡す。


「え、今何処か、うっ」

「いいから無理しないで深呼吸して」


イガラシは何か言いたそうにしていたが大人しく深呼吸をして出された水を飲む。


「ふぅ、すこし落ち着いてきた。それとなんだいあの魔法は?」

「ん?これ?ナイフちゃんの真似をしただけだよ」

「私の真似……これ私以外できないと思うですが?」

「これは内密にして欲しいんだが俺には見た魔法を真似るスキルがある」


イガラシと邪神(笑)は呆けた顔をしておりナイフちゃんはなにか納得したような顔をしていた。


「あの時はふざけて見せていたのかと思いましたが、そんな反則技を使ってやがって下さったんですね?」

「その敬語もどきについては触れないとして、まぁあの時ふざけて見せていたのはこの能力で君の魔法を習得していたからだよ」

「つまり習得するには時間がかかりやがると?」

「そゆこと、その代わり時間をかければなんでも……とは行かないだろうが覚えることが出来るよ」

「へぇーじゃあ試してみるです。イガラシさんお願いします」

「へっ?えぇと」

「適当に魔法を使ってくれればいいさ」

「り、了解」



イガラシは戸惑いながらも返事をするとその手の少し上に空気で出来た何かが浮いていた。

実際には見えていないがその手に微かな歪みが見えた。



「エアバレット!!」


その言葉と共にうち放たれた空気の弾丸は丁度そこにあった少し大きめの岩に命中し深々と穴を開けていた。


「おお!!」

「さぁ真似してみやがってください」


俺はイガラシがしていたように手を出し集中し始める、恐らくこれは空気を圧縮して弾丸の形を作り出し撃ち込むものだと思われる。


「空気を圧縮して放つ感覚で………エアバレット」


━ドゴッ


鈍い音を立てて空気の塊が岩へめり込む。


「成功かな」

「あの一瞬で覚えてしまうとは……」

「イメージしやすかったからね」


さて、そろそろ街の中に入るとするか


━━勿論また捕まるのは御免なので十八番を使って素通りして入った。

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