幻影魔法の使い手
「私を仲間にしやがれってんです」
先程の返したナイフによって仮面が外れ恥しそうに顔を赤らめたナイフちゃんからのいきなりの言葉に俺は唖然としていた。
だってさ!さっきまで俺にナイフを容赦なく投げてきた子がいきなり仲間にしてくれって……「何故?!」おっと、声に出てしまった。
「正直付いていくのは私が強くなれればいいからです」
「まぁ普通そんなもんだよね、いやでも何で顔が赤いんだよ」
「な、仲間なんて恥ずかしすぎるんです」
今までの奴ら━いるのか知らないが今のところは仮面軍団━は仲間では無かったということか?
「君はこの訳の分からない仮面野郎共を裏切るってことでいいんだね?」
「こんな奴らなんて知らねぇです」
「あらやだ、この子口調が可笑しくなってるわ」
「「「貴方(ルアンさん、マスター)も充分可笑しくなってる」」」
「さて、どうやってここから出ようか」
「「「無視?!」」」
『シファーどうすりゃいいと思━━』
ドガアァァン!!
俺がシファーに脱出の計画について相談しようとした瞬間入口から鼓膜を破りにきているような爆発音が轟く。
入口に視線を向けるとそこには先程退出した仮面が他の仮面達を連れ部屋へ入ってきておりその後の通路は先程の爆発により崩れ、瓦礫によって塞がれている。
「貴様!!何者だ!!」
「通りすがりのバーサーカーですが?」
「この侵入者と生贄を捕らえろ!!」
リーダーの仮面が命令すると後ろに控えている仮面達が一斉に動き出す。
「アスは後ろで待機、イガラシ、ファルは下っ端の仮面共をぶちのめせ」
後ろの三人へ指示を飛ばすとリーダーの仮面へと走り出す。
それを見たリーダー仮面はニタァと口を歪ませ小声で何かを詠唱する。
「気持ち悪いな」
そう言い放ちリーダー仮面の胴を薙ぐ━━
━━しかし手応えはなくそのリーダーは霧となり消え去った。
「そういう事か!!」
今のが幻影魔法で作られた偽物だと気付くのにそう時間はかからなかった。
「まさかここまで早く俺と同じ能力を持つ相手と会うとはね」
「ほぅ?」
さっきので分かったが相手の方が幻影魔法に関しては上手だ、それは相手は幻影魔法を使っても俺には見破れず、俺は幻影魔法を使ったとしても見破られるという事。
つまり最悪の相手だという事だ
さて、これはどうすりゃ勝てるかな?




