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再会と別れ

ルアン、アガナ、イガラシの三人は誘拐された王子と王女をつれて飛行船乗場の前まで来ていた。


飛行船乗場には縁日や祭りなどで出ているような出店が並んでいて活気に満ちている。

しかし肝心のファルたちが見当たらない。


「遅いな、もしかしてこの街を見て廻ってるとかじゃないだろうな」

「おいおい、それは勘弁して欲しいんだが」

「雇い主の仲間はそんなに自由な人達なの?」


俺はため息をつくと「その通りだよ」とボヤく。


「そういやイガラシって情報屋だよな?」

「何をいまさら言っているの?」

「最近ドラゴンが討伐されたみたいな話ってあるのか?」

「それはどうして?」

イガラシが不思議そうな顔をして聞き返してくる。


「ふとドラゴンの強さが知りたくなってね〜」

「そうなの?最近でたドラゴンはそこまで強くないけど」


え?てことはファルさんそこまで強くない子?!つまりこのステータスはチートでは無いのか?


「個体によって強さが変わるけれど一人で討伐するのならA+かS辺りの冒険者でないとダメだね」

「グループだとどうなる?」

「B級冒険者8人ならかろうじて下級ドラゴンを倒せるくらいだね」


つまり俺はだいたいB級以上の実力━というかステータス━を持っていることになるのか。


何故A級やB+だと考えないかというとただ単純にB×8がB+やAになるのか分からないからである。もしここでB+以上の力があると思って実際に戦って俺よりも強かったとかあったらたまらないからだ。


「んで?お仲間さんはどうすんのさ」

「どうしようかね?」

「なんだかあっちが騒がしいけど?」


イガラシが人だかりに向け指をさす。


「あの広場でなにかやってるっぽい?」

「アガナこの子達頼むわ、もしもなんかあったらその子達と猫共を届けてやってくれよ?」

「はっ、そんな事あるわけないだろ」


アガナ君そういうのフラグって言うんやで?


「イガラシ行くぞー一応気張っとけぇい」

「はいはーい」


この時は誰も知ることはない、これがこの街で最後に交わす言葉になることなんて。




〜〜〜




「さて皆さん!!これから見せるは不思議な不思議な光によるフィナーレです!!」


白塗り仮面が叫ぶ、周りの人間を引き付け逃がさぬように。


「フィナーレって何ですかね?」

「わかんな〜い」

「ファル、フィナーレってのは確か最後だか終幕って意味だ」

「ルアンさん?!」

「やっぱりここにいたのか」


ファルは驚いた顔をしたあと何故かムッとした顔になる。


「どしたんだ?」

「その隣の人は?」

「情報屋」

「へ?」


ファルとアスにイガラシについて話そうとした瞬間にショーをしている場所から目を開けていられないほどの光が発せられまわりが見えなくなる。


「ファル!!アス!!イガラシ!!大丈夫か!!」


返事がないただのしかばねのようだ…とか言ってる場合じゃねぇ!!


光によって見えなくなった目を必死に働かせると、ファル達が白塗り仮面達に連れてかれるのが見えた。そこでとっさにサーカス団の馬車の上へ飛び乗り、しがみつく。


馬車にしがみつくと同時に馬車が走り出し街中を駆け抜ける。


「うちのロリっ子二人と情報屋を攫うとはいい度胸してやがるな」



〜〜〜



間に合わなかった。


ルスに案内されサーカス団のいる広場までやって来るとそこには攫われる複数の人がいた、その中にはファルやアスがいた。


「助けられたはずなのに」

「サツキさんは悪くないです」

「そうだよ」


そこへ子供たちを連れアガナが現れる。


「おい、どうなってんだ!!」

「ルアンは?」

「あいつが広場を見に行ったはずなんだが……」

「何ですって?!」


アガナは捕まってから今までのこと━イガラシが紅族だということを除いて━を話した。


「最悪ね」

「ルス、あいつらの事見えないのか」

「駄目ですね、何故か見れません」

「なら仕方ない、この坊主共を届けに行くぞ」

「見捨てるんですか!?」

「あいつからの伝言だ、『もしもなんかあったらその子達と猫共を届けてやってくれよ?』だとよ」


ルスが声を荒らげて言うとアガナが冷静に返す。


「はぁ、ルアンさんはこの結果が見えていたんでしょうか」

「さぁな見えてたんでねえか?」

「あの人のことだからありそうね」


皆呆れた顔をして各々呟いていた━━ネス一人を除いては



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