情報屋再び
「今頃だがまさかお前までバーサーカーだったとはな」
「あぁ職業選ぶ時に狂戦士かバーサーカーの二択しかなかったんだよ」
「そりゃあ気の毒に、普通なら戦士やウォーリアーから変化して狂戦士その他の職業からバーサーカーになるのが普通なんだがな」
と、アガナは苦笑いしながら言う。
「俺は何もしてないのにこの仕打ちかよ」
「だが気になる事がある」
「なんだ?」
「お前、何故あの血の海を見て正気でいられた?」
バーサーカーは血を見ることで理性のリミッターを外して戦う……はずなんだよな。
「分からねぇ、俺の推測だが俺の狂化は感情から来るものなんじゃないかと思う」
神の使いや姉御達の時、それにアモンこの三つはそれぞれ少なからず怒りの感情が高まっている。
「感情ねぇ、聞いたことないな」
「まぁ感情以外当てはまるもんがないから無理矢理そう思っているだけなんだが」
「別にお前がどう考えようと知ったこっちゃないな」
「だろうな、とりあえずファル達と合流しなくちゃな早く飛行船に乗らないとまた豚箱行きだ」
一方ファル達は━━
「どうしましょうか」
「さぁ」
「この街の規定を忘れて入っていったわねあいつら」
サツキが肩を竦め呆れたように言う
「規定とは?」
「バーサーカーは暴れて殺人を起こしかねないからこの街では入れない決まりなのよ」
「あー確かにルアンさんはバーサーカーでしたね……」
「ふふっ、まさかあんなのがバーサーカーだとはね〜」
「ルアンさんはいい人なんですよ!!」
「いや、別に悪い奴って言ってるわけじゃないんだけども」
「うるさい、ひこうせんのばしょにいこう。どうせマスターはそこにいる、でしよ?ルス」
「そうだよ今見てるけど飛行船に向かって移動してるよ」
「なんで分かるんですか?」
「ルスは千里眼が使えるもんねー」
「ネス、そういう事はあんまりバラしちゃいけないんだよ」
「そうなの?」
こうしてファル一向は飛行船へと向かっていった
〜〜〜
時を少し遡りファル達が飛行船へと向う少し前
ルアン、アガナは既に飛行船へと歩みを進めていた。
「おいおい、勝手に行っちまっていいのか?」
「白猫人は物を探すのが得意じゃなかった?」
「俺の部下として働かせていた時には入ってほとんど時間が経ってないのに人探しとかで部下達の間で名を挙げていたな」
「人探しで名を挙げるって……まぁいいあの子ならどこに行っても見つけてくれるさ」
「ホントかねぇ」
アガナは既にルスが人探しが得意だという事を分かっているためふざけながら笑って返す。
そこに一人の外套を纏ったホークアイが現れた。
「久しぶりだなホークアイ」
「何をしてんだイ?」
「ちょいと面倒事だよ」
「そりゃ大変なこっタ」
外套を深く被っているため口より上は見えないがその口は苦笑いをした様な口だった。
「この街の地図とかなんかないか?」
「あるヨ?」
「その情報いくらだ?」
「君には特別に銀貨三枚で貸してやるヨ」
「その地図って何枚か予備があるのか?」
「いやないヨ?」
「おう、そうか……でもなんで貸してくれんだ?」
「馬鹿か、銀貨三枚で雇えって話だヨ」
「いや、わかった。わかったが、その語尾控えてもらえね?故郷にそんな感じの語尾の情報屋いたし」
「あちゃーもういたのかーまぁ被っちゃうんなら仕方ないか…」
「そっちが普通の喋り方か?」
「そうだけど」
「まぁいい雇うよ、これから宜しくな」
「宜しく」
新たにホークアイを雇い飛行船へ向かうことになった。




