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終わりなき終わり

あの大規模な戦闘の数年後のアストラル共和国にて。


「ルス、今度はどこに行く?」

「んー、じゃああっち行こ!!」


人だけではなく獣人など色々な種族が店を開きそして楽しく別の種族と話している、そんな光景をウキウキとした様子で駆け回る黒猫少女と足が半ばでなくなっており車椅子という物で黒猫少女に押されながらその様子を楽しむ白猫少女がむさ苦しい男共を連れて街を楽しんでいた。


「ルス姉さん、そろそろ式場行かないと不味いっすよ」


後ろについていた男の一人が申し訳なさそうに口を開くと白黒猫少女達は互いに目を合わせ━━




━━「「そうだったーー!!」」




~~~




アスがいなくなってから数年か、早いな…………忙しくて今まで思い出せてなかったな。


「ルアン!!ボケっとしてないで結婚式の準備しないと!!着替えて!!」

「あぁ〜、うん」


腰に手を当て仁王立ちしながら俺のことを叱るこの少女に今まで何度助けて貰ったことだろうか。


ルアンはそんなことを考えながら用意してあった服に着替えると色々な事を思い出しながらボケボケと会場まで歩いて行く。


あの戦いが終わってから俺をトップとして各種族の長が集まって話し合って街を作ってルールも食料問題も色々と作ったり解決したりと大忙しだった。


「何ぼさっとしてるの?ほらほら、早くしないとみんな待ってるよ?」

「そうだな、行くか」




~~~




「永遠の愛の証として誓のキスを」

「お、おぅ」

「何固まってんのよ」


お決まりの神父の台詞にアガナとサツキが誓のキスを果たす。

何?俺とファルのだと思った?残念、俺達はあの戦いの後結婚式は済ませてるんだ。

大人な事は一切していないが。


仕事で時間無いし、結婚したとはいえそういうことをしていいかも分からないし…………おい誰だ今ヘタレとか考えたやつ、後でうちの嫁の作った紫色のなんかドロっとしたゲル状の物を腹いっぱい詰め込むぞ?


「ルアン、今なにか失礼なこと考えたでしょ」

「そんなことはありませんよぉ?!」

「仲良いっすねぇ、ねっケトさんも思うっすよね」

「ふん、別にどうも思ってねぇですよ」

「楽しそうだなお前ら、そう言うのは式場じゃなくて家でやれ」

「おやおやアガナ君、照れ隠しに減らず口でも叩きに来たかな?」

「おうてめぇぶっ飛ばしてやろうか?」

「ちょっとトイレ行ってくるわ」

「あ、逃げやがった」


いつものようにふざけあっている中、俺はそう言い訳すると逃げるように最近作り終えた展望台へと足を運んだ。


「何してんだろうな…………」


アス、お前がいなくなってから平和な日々が続いてるよ。

本当ならここにアスもいてもっと騒いでいたかった、今は仕事をしながらだが情報収集は欠かさずしてるしなんならイガラシに駆け回って貰ってる。

いつかアスが戻ってきてくれた時のためにボディはきちんと傷一つ付けずに保管している。

これは正直ただ過去に囚われているってだけかもしれないが、やっぱり大事なものは諦めきれない。


「いつか、帰って来てくれよな…………」

「それはアスに向けてかな?」

「ファルか…………どうしてここが分かったんだ?」

「勘だよ」

「さっすが、うちの嫁さんには敵わないわ」


俺が肩を竦めおどけていると突如として唇に柔らかい感触が伝わってきた。


「ぷぁっ、ファル?!」

「んもぅ、そんな暗い顔してちゃみんなに心配されるよ?」

「そうだな」

「ねぇ、してくれないの?」

「いや、でも、ここは」

「ここはまだ解放してないから私達だけでしょ?」


グイグイと来るファルにたじろぐルアンだがそれを逃がすまいとファルが肩をしっかりと掴み顔を徐々に寄せていき、ルアンの耳元まで顔を寄せ━━




━━「ねぇ、私ずっと我慢してたんだよ?」

「うぐっ、わかった、わかったよ…………でも、笑わないでくれよ?」

「大丈夫、私も上手には出来ないと思うから」




~~~




「おやおやぁ?アテナちゃんや、次の王様が出来上がりそうだよ?」

「はぁ、ハデス。覗きは感心しません…………おぉ〜」

「はいはい、覗くのはよしましょうねぇ?」


アテナとハデスが見ていた半透明な板をメフィストフェレスが回収すると二人は揃ってメフィストフェレスに向け恨めしげな視線を送る。


「はぁ、こんなことに時間を使うくらいならロキさんとあの杖を治すのが先決ですからねぇ?」

「ちぇ〜」

「仕方ないですねぇ」


渋々、といった様子で二人が作業に戻るとメフィストフェレスはある物を取り出しそれを念入りに拭いていた。


「はぁ、あなたも早く目を覚まして創造神様の所に行かなきゃダメですからねぇ?━━アトラスいえ、アスさん」


メフィストフェレスはそれを見て微笑むと地上との通信を切り、それを拭きながら仰向けに寝転がる。


「ルアン様お元気で、次にそちらに伺うのはアスさんとロキとあのおしゃべり杖を連れてになりそうです。その時には私が元ルアンであの杖がファフニールって事ぐらいは土産話に教えてあげますかね」


━━「それと異世界の皆さん、こちらからお送りする物語はこれでおしまいです。何?中途半端に終わらすな?いえいえ、物語には必ず終わりが付き物ですがこういう終わらせ方なら異世界の方々の想像でいくらでも続いていくでしょう?ここから先の創造神様の未来は果たしてどうなる事やら、まぁこれだけは確実に言えます。彼は全国民に愛されながら息を引き取るであろう、と。では、これにて失礼」

こんな見切り発車の駄作をここまで読んでくださりありがとうございました!!

ルアンくん達の未来や如何に…………


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