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犠牲の果てに

次で最終回です

「これが最善だったのだろうか…………」


どこか遠くを見てそう呟いたルアンはアスとファルの頭を撫でると二人を抱えアガナ達の待つ場所まで重い足取りで歩いて行く。


アガナ達と大勢の兵士達が待つ場所に二人を抱えて登場すると大地を震わせるほどの完成と膨大な熱がその場から溢れかえる。

中にはアテナが女神なのがバレているせいかルアンの事を神だのなんだのと言う声がかなり上がっている。


ルアンが神というのは外れていないどころかこの世界の創造神なので的のど真ん中を貫いているのだが。


「お前ら、危機は去った!!」

「「ウオォォォォォォ!!」」


ルアンがそう宣言すると先程の数倍もの熱量と声量で皆が歓喜する。


「俺は人であり魔族であり竜である!!」


ルアンのその発言を聞いた兵士達は先程までの勢いは失せほとんどが静まり返った。


「俺は今まで通りであればお前らの敵であり味方である!!だが先程の戦いを思い出せ!!そこに裏切り者はいたか?そこに武器を取らぬものはいたか?断じて否だ!!」


ルアンの演説が始まると全ての者達が一身にルアンの一言一句を聞き逃さないように耳を傾ける。


「お前達は手を取り合うことが出来る、たとえ見た目や文化が違えども!!俺の見てきた国ではそんなものは関係無かった、相手を外側しか見ず内側に目を向けないのはどうしようもない阿呆のする事だ!!」


ルアンはそこまで言うとゆっくりと二人を降ろし美しい光を放つ槍を取りだし天に向かって掲げる。


「俺はここに、この場所に全ての者を受け入れる国を作る!!転生者」

「は、はい!」

「お前の領地、少し貰うぞ?」

「どどうぞ!!」


転生者はルアンのニヤついた笑いにどこか恐怖を感じすぐさま土地を譲る事にする。


「よし、承諾を得た事だ。今!この瞬間を持ってここをアストラル共和国とする!!他の国がどうのこうの関係ない、俺はここから全ての者が笑って暮らせる世界にしてやるさ!!」

「「ルアン!!ルアン!!ルアン!!ルアン!!」」


ルアンのその宣言に静寂のうちに溜められていた熱気が一気に爆発し新たな国の大きな産声が上がった。


しかし、当の本人の顔には微かに暗い雰囲気が香っていた。


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