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ドン、と雷が落ちた様な大きな衝撃が空間を駆け回り先程の戦闘で崩れかけていた天井がガラガラとゆっくり崩壊を始める。


「ここはまずいかもねぇ、アテナちゃん転移とか使える?」

「何を当たり前のことを言ってるんですか、ですがもしこの人数を移動させるとしたらその後の戦闘には参加できそうにはありませんね」

「アテナ、やってくれ」

「分かりました、ですが彼は下に降ろします」


ため息混じりに了承したアテナはアガナの事を指さしながらそう言うと邪竜神(笑)の胴回りの魔法陣を壊すとそこへアガナを投げ捨てる。


「あ」

「あぁ〜」

「落下ダメージを無効する魔法を付けといたので大丈夫です。」


アテナさん、そのにこやかな顔で言うと数倍怖くなりますよ……。


「何か言いました?」

「イエナニモ」

「ならよろしい、せいっ」


アテナはそう言うと額に青筋を浮かべながら邪竜神を手に持っている杖で思い切り殴り、その瞬間邪竜神はバラバラと弾け飛び中から杖とロキが何やらテラテラとした液体にまみれながら出てきた。


「うえっ、臭……」


ロキと杖から臭う悪臭に数歩引くと後ろで倒れていたファルの変化に気が付いた。


「あ、あぁあぁぁあ、ああぁぁあぁあ!!」


生気のない表情のまま聞くに耐えない悲鳴を上げながらガクガクと震え始めた。


「これはどうなってんだ!?」

「いいから行くよ!!このままだと色々とまずい」

「ちょっとま━━」


ルアンが言い切る前にハデスがルアンを掴みアテナの元まで運びその場からコンマ数秒で消え去った。



~~~



先程まで戦っていた場所からだだっ広いだけの荒野らしき場所に変わると周りには大勢の人と冷や汗をダラダラと流しながら腰が抜けているアガナが目の前にいた。


「ゼーッゼーッ、お前ふざけんなよ」

「魔力が足りなかったもので」

「女神様だ!!」

「女神様ー!!」


俺たちのところに来る前にやることがあると言っていたがここまで崇めたてられる様なことしでかしたのか。


ルアンがそんな事を考えていると元気な声が少し遠くから近づいてきた。


「マスター!!」

「兄ぃ!!」

「ご主人様!!」

「ご主人!!」


その元気な声の主達はルアンを見ると傍に駆け寄り、そしてファルがいないことに気がついた。


そして━━



━━「アアアァァァア!!」


天空に現れた歪みから巨大な半透明の黒いドラゴンが顔を出し、こちらを睨みつける。


「ファル…………」


いつものファルとは違い邪竜と呼ぶにふさわしい殺気が遠く離れたこちらからでも色濃く感じとれる。


「彼女を殺して世界を救うか、世界を壊して彼女を救うか。ルアンちゃん、これは君が選択することだ」

「もし世界を救う選択をするならこの槍を取りなさい、これは邪竜を屠るために作りだした槍です。これならあれでも一撃で屠る事が出来ます、逆ならただ殺されるのを待つのみです」


ハデスとアテナが言うと周りから多くの視線がルアンに向けて刺さる。


「……………………決めた、俺は━━」

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