私
上半身のみ魔法陣から出ている巨人を四つの人影が翻弄しながら着実にダメージを与えて追い詰めていた。
ハデスと呼ばれる人物は巨人の拳を片手で弾き巨人の顎に軽々と一撃を入れる。
アテナと呼ばれた人物は巨人の射程外から半透明の剣や魔力で出来た大きな弾を次々と巨人に着弾させていた。
「ぬあぁぁ!!死ねぇい!!我はこの世界を壊さねばならぬのだ!!」
私が呆然と見ていると巨人は耳がどうにかなってしまいそうな程の大きな声で叫ぶとやたらめったらに拳を振るい始めた。
ドゴンドゴンと巨人が拳を叩きつける音の中メフィストフェレスと呼ばれていた悪魔はニヤニヤ顔を貼り付けたまま巨人の光線をぐにゃりと曲げ誰も居ない場所に着弾させた後、先程から攻撃をし続けている胸部へまたも拳と蹴りを入れる。
「ぐぅうおぉぉおお…………貴様らァァァァ!!…………ぐっ?!グアァァァァ!!」
先程から攻撃を受けている巨人は苦しそうに悶えると何があったのか突然腹部を抑え出し動きが止まる。
次の瞬間、巨人の腹部から黄金の刃が生え━━
━━ズシャッ、という音と共に刃が一気に下へ動き巨人の腹が引き裂かれた。
「気持ち悪い場所からやっと…………あ?どこだここ」
そして、そこから出てきたのはアガナだった。
アガナは引き裂いた腹部から肉をこじ開け無理矢理出るとこちらに気がついたのか少し驚いた様子でいた。
「アガナ、取り敢えず早くこっち来い!!」
巨人から出てきたアガナにルアンが忠告するとアガナは跳躍しこちらに一瞬で辿り着く。
それと同時に先程アガナがいた場所に拳が振り下ろされる。
「おお、危ねぇ」
その様子を見ていたアガ…………
その瞬間私は突然目の前が真っ暗になり立っていられなくなり倒れ意識を手放した。




