終邪竜戦
ファフニールに着実にダメージを与えられていると分かった三人は先程よりも回転数を上げながら攻撃を繰り出していた。
「オラデカいの、やれ!!」
「デカいのと呼ぶな!」
先程よりも目に見えてやる気に満ち溢れたゴオル達は若干ふざけつつきちんと声をかけ連携を強固なものへとしていく。
「ヤマト!!」
「発射!!」
レヴィがファフニールの腕を噛みちぎるとすぐさま離脱し、その後レヴィの噛みちぎった場所に重点的に魔弾が撃ち込まれる。
「こやつ随分と柔らかくなったの」
「さっきまで傷すらほとんど出来なかったのにレヴィが噛みちぎれる程やっこくなってるとはね」
「やっこく?」
「あっ」
ヤマトは自然と出た自らの故郷の訛りに少し恥ずかしさを覚え頬を人差し指で掻きながら悶え苦しむファフニールを見据える。
ヤマトはその隙を無駄にする気など無くすぐさま砲門を開放すると魔弾を撃ち始める。
ファフニールは魔弾の撃ち出された轟音でやっと攻撃に気付き警戒態勢に入る。
しかしそのタイミングで気が付いたファフニールに防ぐ間もなく魔弾が全弾着弾する。
「そろそろ倒せそうだな」
「おいゴリラ、妾とヤマトがサポートするから一気に屠れ」
「おうよ」
ゴオルが了承の声を上げると次の瞬間ヤマトは砲撃、レヴィはブレスで視覚の遮断およびデコイを即座に用意する。
「「行け!ゴリラ!!」」
「その名前で定着してんじゃ━━━ねぇ!!」
デコイから少し離れたところを走っていたゴオルはファフニールがそれらを払うために腕を振るって無防備になった頭部に力任せに高く飛び、重力を乗せた上段からのグレートソードによる一撃を入れる。
するとメキャリと頭骨が折れる音がなりファフニールが額から黒い液体をドロドロと出しながら地に伏せた。
「うっしゃあ!!」
「倒した!!」
「うむうむ!!」
ゴオルによる一撃を受けたファフニールは弱々しい呼吸をしながら既に覇気の無い瞳を三人に向けていた。
「一応トドメをさしておくか」
虫の息のファフニールにゴオルが歩み寄りグレートソードを振り上げたその瞬間ファフニールのいる地面から魔法陣と思われるものが浮かび上がり眩い光を放ち始めた。
その光に四人は目を開けていることが出来ず腕で目を庇う、そしてその光が消え去った後にはファフニールの黒い液体を残しファフニール本体は消えていた。




