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アスモデウスの能力(ヤマトside)

目の前の恐怖の象徴が咆哮を上げた途端身体中の血の気が引き、頭が徐々に真っ白になっていく感覚が襲ってくる。


「あ、ぁあ……」


僕が恐怖に身体を強ばらせているとどこかから音楽が聞え、次の瞬間には僕の身体の制御が別のものに移ったような感覚と共に身体が勝手に後ろへ大きく飛び退く。


「危なかったね、僕の音楽にも限度があるから出来るだけ地力で避けてくれると嬉しいな」


どうやらアスモデウスと呼ばれている男の音楽による納涼によって助けられたらしい。


「すまない、ありがとう」

「どういたしまして」


僕は礼の言葉をアスモデウスに言うと戦艦級の砲門を開放し魔力を充填する。


「全員退け!!」


僕の砲門に気が付いたゴリラもといゴオルが前に出ていた他の数人に指示を出し僕達の元へと駆け寄ってきた。


「主砲用意━━」

「全員伏せろ!!」

「━━放て!!」


僕の号令にあわせ砲門から覗いていた戦艦の主砲を模して作り上げた大砲が一斉に光線を放ち黒い竜へ向け照射される。


「グオアァァア!!」


光線が直撃すると共に黒い竜の苦しむ声が聞えてくる。


「よし、効いて…………ない?」


竜の悲鳴に微かな希望を持ちつつ光線の照射が終わり、竜の立っていた場所を見るとそこには光線を受けた竜がほぼ無傷で立っていた。

ほぼ無傷と言っても鱗や皮膚が少し焦げてはいる、がそれだけだ。

その瞳には中途半端な痛みを与えられたことにより微かな怒りの色が灯っていた。


「ぼさっとしてんじゃねぇ!!次だ次!!」


僕が狼狽しているとゴリ……ゴオルが背中をバシンと叩き前へと走り出して行った。


「妾も本気で行かねばダメそうじゃな」


レヴィアタン?とやらが楽しそうに呟くとその幼さの滲み出ている四肢から一瞬で青く美しい龍へと姿を変える。


「それじゃあ僕は演奏でもしてようかな」

「お主はこんな時にまで!!」

「まぁまぁ、落ち着いて…………聞けば分かるさ」


アスモデウスと言う男が指揮棒を両手に持ち、数度振るったその時宙に複数の楽器達が現れ音楽を奏で始める。

男が指揮棒を小さく振るえばそれに比例し音楽も優しく小さくなり指揮棒を大きく振るえば強く大きくなっていった。

そしてその音楽を聴きながら戦闘をしているとあることに気がついた。


「攻撃がさっきよりも効いてる?何をしたんだ音楽家?」

「いやぁ、僕は好きなふうに音楽を奏でさせてもらってるだけだよ」


アスモデウスは御どけながらゴオルやレヴィアタンの指揮棒を強く振るい曲を強くする。

すると先程までかすり傷程度にしか傷をつけられなかった攻撃が数倍の大きさと深さまで入っていた。


やはりアスモデウスは音楽で味方を強化する能力か!これは、いけるかもしれない!!


全くダメージの通っていなかった絶望的な状況にアスモデウスやゴオル、レヴィアタンの連携もあって先程までこの世の終わりのような顔をしていたヤマトの顔にほんの少しだけ安堵の表情が浮かんできた。


よし、好敵手が帰ってくるまでには倒して好敵手を驚かせる事にするか!!大丈夫、好敵手なら生きているはず!!


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