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白猫と黒猫、そして赤

後先考えず飛び出して行ったメアとネスはメアが兵士に毒を浴びさせ弱体化し、ネスがそれを一発づつ食らわせダウンさせながらルスが指を指した方角を突っ走っている。


「任せ、ました!」

「了解!余裕余裕♪」


普段なら引っ込み思案で声の小さいメアが声を張り上げネスに呼びかけるとネスも元気よく返事をしながら回し蹴りや顎への掌底で兵士達の意識を刈り取っていく。


そうして毒をあびせ気絶させとしていると数十メートル先に全員が組体操をしたら立派な山ができ上がる程の兵士達と共に、現場の指揮をする転生者とその脇で何やら魔法を唱えている魔法使いらしき人物が立っていた。


「大当たりっ」

「潰し、ます」

「ちょーっと待ったぁ!!」


今にも敵将と目的の獲物を狩らんと目を爛々と光らせる二人を後ろからルスの声が引き止める。


「ぜぇぜぇ、二人とも、ストップ」

「ルス、どうしたの?」

「いい?あの量をこのメンバーで突破するのも護衛がいっぱい居る中であの二人を殺すのも無理、だから別れた人達と合流して叩く、いい?」


ルスの有無を言わせぬ勢いにネスとメアはむぎゅっと口を閉じ不服そうにしながらも頷く事で了解の意を示す。


「よろしい、じゃあ早く他の人をさが━━」


瞬間、足元が一瞬にして爆ぜ、爆破した場所に立っていたルスを初め三人は空中へと投げ出される。


「…………は?」


あまりにも突然のことにネスは腑抜けた声を口から漏らしながら天と地が逆転した世界を呆然と見ていた。

すると、呆然としていたネスの顔に赤い液体がびちゃりとかかった。

それは今までこの戦場で何度も嗅いだ匂いと全く同じだった。


しかしその液体をぶちまけた主が違っていた。


地面に衝突した衝撃とその強烈な匂いに我に返ったネスは急いで辺りを見回し━━


━━見つけた、いや見つけてしまった。


「ルス!!」


白く綺麗な髪や肌を自身の血で赤く血塗られているルスを。

両ふくらはぎから下が吹き飛びそこから血が流れている姿を。


その光景をネスは信じられないでいた。


「ル、ルスさん!?」

「う、ぅぁ……」


ネスが呆然としているとメア起き上がりルスに応急処置を施す、幸い辺りには兵士がいなかった為無事に応急処置を終えることが出来たが先程の罠にかかったのに気づき一部隊が近づいてきていた。


「ル、ルス……ルス……」

「何事です!」


ネスは泣き崩れ、メアも足に怪我を負いルスも両足が無い状態で絶体絶命だと思われたその時。

上空からフィルに乗ったケトが焦りの感じ取れる動揺した声をかけながらやって来た。


「ケトさん、私達……うごけ、ない、です」

「分かった、フィル今すぐ降りて全員を回収するです」

「了解っす!!」


フィルとケトの二人がかりで三人を回収するとワイバーンの姿に戻り、四人を背にのせフラフラながらも撤退して行った。

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