毒メイドと猫耳双子
今私達は後ろを頼もしい仲間に任せ、みんなが戦っている大きな人型をした土の塊を作りだした術者を探していた。
「ル、ルスさん……千里眼を、お願い……します」
「わかった!」
「それじゃあ私達は防衛だね!」
メアとネスは千里眼を発動させる事に集中して無防備なルスを挟み背中合わせで近づいてくる危険物に備える。
「うーんと、どれが術者なのか分からない!!取り敢えずあっち!!」
「はい!」
「虱潰しだ!!」
ルスが大体の目安をつけルスの得物であるナックルナイフを腰から取り出し指を通ししっかり握るとメアとルスを先導するために先頭を走り始める。
怒号に悲鳴が混じり鳴り響く戦場をしばらく走り続けていると、何やら魔法を行使しているローブ姿のグループの元へたどり着く。
「ひとまず、潰します」
「「賛成」」
グループを見つけた瞬間メアはそうポツリと呟くとそれに他二人が肯定し、魔法を行使しているローブ姿のグループの周りにいる敵兵達を音もなく後ろから口を手で抑え一突きし静かに仕留めて回る。
一方、メアはと言うとグループへ向けて放つ毒を考え生成していた。
声を出すまでも無く瞬時に、そしてこの戦場でも不自然でもない風に殺すなら…………あれですね
メアは心の中でイメージトレーニングをした後皮膚を爛れさせ一瞬で全身に麻痺が周り死に至る毒を練り上げる。
「……ふぅっ」
メアが掌に作りだした猛毒を息でローブのグループへと吹き付けると僅かコンマ何秒という早さでローブのグループ全ての人間が身体をガクガクと震わせ声にならない声を上げていた。
あ、なんかこれいいかも……
メアがサドの扉を開いた瞬間である。
ローブ姿のグループが苦しみ悶えながら死んでいく様を見届けると全員ルスの元へ戻り、アガナ達の所にいる人形の様子を見る。
「うーーん、まだ止まってない」
「次、行きましょう」
「はやくはやく!!」
「ちょっとまってて」
辺りの安全を確認しつつ再度術者を探し出す。
「ん!転生者?とかなんかと一緒にいる魔法使いみたいなのがいる!」
「そこ、行きましょう」
「術者と一緒に潰しちゃえば褒められるよね!」
「あっ、待って!!」
ルスの静止を聞かずネスとメアがルスの指を指した方角へと走り出してしまった。




