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白刃乱舞

分身したサイノがケトとフィルに向かい両サイドから距離を詰め剣を大きく振りかぶり、次の瞬間ヌルりとサイノの剣が目の前まで伸びた。

正確にはサイノの剣術がそう見せるだけであり実際には剣を蛇のようにしならせながら振っているだけなのだ。


「フッ!!」

「くらわないっす!!」


ケトは次空間からのナイフの射出により、フィルはワイバーンのものに戻した足で回し蹴りをすることにより、二人は避けるでも防ぐでもなくその攻撃を弾いて凌いだ。


「お前ウチの下着見たっすね?」

「ごちそうさまです」

「ぶち殺すっすよ?いや、殺すっす。ウチをどうにかしていいのはご主人かファルお姉さんだけっすからね」


サイノの返答にフィルは両足をワイバーンのものに戻し尻尾を生やすとケトを軸に360度回りながら火を吹き二人の周りが火の海になる。


「「俺のスキルはこれのブレスですら弾いてくれるんだよな〜」」

「ちょーめんどくさいっすねこいつ」

「「お褒めに預かり光栄ですよ、可愛いワイバーンのお嬢さん」」

「うえーっ…………」


火の中を悠々と歩き余裕そうに話しながら歩いているサイノにフィルは嫌な顔を隠しもせずしっしと手を振る。


「そんな冷たい態度取らなくたって良いじゃないかっ…………?」

「やーっと向こう側をハリネズミにしてやれたです」

「おっ、流石っす!!ご主人の妹は違うっすね!!」

「バッ!?いいい妹じゃねーですよ!!」


フィルの発言に目に見えて狼狽するケトが辺りを見回すと二人を包囲する様にサイノが立っていた。


「ちょーきもーいっすー」

「確かにあんなのが包囲する程いたらキモくてたまらないです」

「「酷いなぁ二人とも」」

「まぁ、そのキモイのもすぐ消えるですがね」


ケトはそう一言サイノに言うと口を三日月のように吊り上げると手を前に突きだし、横に大きく振る。


白刃乱舞(はくじんらんぶ)


━━ザザザザザザザシュッ


すると次の瞬間複数のナイフが天空から降り注ぎ、それらのナイフが全てカクリカクリと角度を変えほぼ全てのサイノの心臓を背後から貫く。

心臓を貫かれたサイノの分身達はどんどんとその姿を薄めていき、完全に消え去っていく。


「…………へぁ?」

「お前の能力は視界の中でしか仕事しないみたいですし、その効果範囲も狭いっぽいので後ろからぶっ刺されて貰ったです。計算を間違えて数人の分身は残ってたみたいですが」


ケトはナイフが心臓を外れた、否わざと外した本体へとゆっくりと歩いて近づくいて行きながら何が起きたのか説明をする。


「さぁて、私達をよーくも邪魔してくれたですね」

「か、可愛い女の子に殺されるなら本望だな」

「誰がそんな事してやるもんかです、お前はそこで野垂れ死にしてるです」


ケトはサイノにそう言い捨てるとワイバーンに戻っているフィルに跨り再度空へと舞い戻って行った。


「……優しいっすねぇ?」

「うっせぇです、あの気持ち悪いやつの血を浴びたくないだけです」

「実の兄妹じゃないんだろうに兄妹の様に似てきたっすねぇ」


フィルの放った今日一番の口撃に、ケトは恥ずかしさを誤魔化すためフィルの背中をポカポカと叩き次の転生者(ターゲット)へ向け飛び始めた。

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