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ケトVS色男

先手をとったのはケト達だった。

ケト達は色男が動き出す前にナイフを三本、火球を二つ避ける先々まで予測して撃ち放った。

そしてそれらは色男の逃げ場を塞ぎながら飛んで行き、なす術もなくそのばで呆然としている色男へと直撃━━


━━すると思われたそれらは全て色男の目の前で全て弾き返された。


「んなっ?!」

「俺は女の子からの愛以外は弾いちまうんだわ、だから俺にむけるなら愛にしてくれよ?」

「気持ち悪くて反吐が出るです」


色男の発言に暴言で返すとオエーと吐くようなジェスチャーをした後ナイフと次空間魔法の用意をする。


ナイフと火球が弾かれるならもっとでかいのにしてやるです。


「もし弾かれないようなくらい大きなものにしようと思ってるならそいつはむしろ良くないぜ?俺は大きいものの方が返しやすい」

「そうですか、警告感謝しやがらねぇです!!」


色男の話をハッタリだと思ったケトは色男の乗っているヒポグリフの三倍ほどの岩石を男の真上から射出し、真下から音速のナイフを射出する。


すると巨大な岩石が色男に直撃した、様に見えたが男の場所のみが抉れていっていた。


「だから言ったろ?大きなものほどっ!?」


ケトへ向かいペラペラと喋っていた色男の口がヒポグリフから伝わる衝撃に思わず口を閉じた。


「その乗り物は弾けない様ですね?」

「チッ、やるじゃないかお嬢ちゃん」

「お褒めに預かり光栄です、チャラオ」


ケトと会話をしつつも色男は未だにその場に留まり続ける岩石に目線が釘付けになっている。


「……ははぁん?」

「どうしたっすか?」

「いや、なんでもないです。ふふっ」


ケトは色男の様子を見て一つの推測に至った、そしてそこにたどり着いたケトはフィルを置いて楽しそうに笑い始めた。


「大きいものが嫌ならもっともーっとあげるですよ?」


ケトは色男に馬鹿にしたように言うと四方八方からヒポグリフ程度の岩石を一斉射出する。


「これはまずい」


ケトと対峙してから初めて動揺を見せた色男は最初の岩石から目を離さず岩石達の向かってくるこの場所から即座に離脱した。


「ふぃーっ危ない危ない、その様子だとこの反射の能力の限界を察したみたいだね」

「簡単です、兄ぃの出てくる問題のがまだ難しいですよ」


ケトは色男にそう吐き捨てると360度全ての方向から順にナイフを射出する。


「だけどね」


━━キィン!!


ナイフが一斉に弾かれる金属音が鼓膜を揺らし、全てのナイフが力無く落ちて行くのが目に映った。


「こんなナリでも結構強いんだぜ?」



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