開戦と解散
アガナ達三人はほかのメンバーが待つ場所へとすぐさま駆けつける。
するとそこには転生者の率いる軍のものと思われる兵と戦闘をしていた。
「どういう状況だ!!」
「アガナとやら!!我輩らがここで待っておったら急に向こうが爆発したの……邪魔なのだ!!」
アガナの疑問の声にアウルが答えながら兵達を風の魔法で薙ぎ払う。
「すまない!俺が悪い!索敵もできやいようじゃ紅族失格だ!!」
「うるせぇ!口より手と頭動かせ!!オラァ!」
敵の襲撃に戦争の開始を許してしまった事に落胆するイカズチにアガナが喝を入れる。
「ルス!能力で転生者がどこにいるか分かったりしねぇのか?!」
「無理!数が多すぎて分からない!」
「取り敢えずぶっ潰しゃいいだけです!!」
アガナ達のやり取りにケトが怒号とナイフを放ち兵達の固まりを一瞬で吹き飛ばす。
「私を乗せて飛びやがるです、ドラゴンメイド!!」
「了解っすよ!!」
ケトは合図に合わせワイバーンの姿へ変わったフィルに素早く飛び乗りしっかりとフィルに掴まる。
「あっちの人数が多い方に行くです!」
「おまかせっす!」
フィルはケトがしっかり捕まっていることを確認し轟音と怒号が一番騒がしい場所へ向け飛行する。
「ここいらで潰してやるです」
「了解っす!ウチの本気見せるっす!!」
次の瞬間、ケトの開いた次空間から無数の空気摩擦により燃え盛る石の礫、それにフィルの魔力によって生み出された青い火球が地上の一纏まりの兵士達を一瞬でほぼ全て死体へと変えた。
「ここにさっきのやつはいなかったですね、」
「えっ?いなかったんすか?!」
「次の集団に行くですよ!!」
「無駄な死人が増える気がするっす…………」
ケトのその様子にフィルは呆れることしか出来なかった。
一方、地上で戦っているアガナ達は戦場を駆け転生者を探していた。
「ルス、偽物だろうとなんでもいい、取り敢えず戦場に何人もいるガキクソを探して案内しろ!片っ端からぶちのめしゃそのうち当たりにぶち当たる」
「分かった…………一番近いのは三時の方向にいるよ」
「よし、行くぞ!!」
「アガナ、我ら兄妹は別方向の転生者とやらを叩く。ご武運を!!」
ケト達と同じ様にイカズチ、イガラシはアガナ達の集団から離れ、別行動で転生者の始末を試みる事にした。




