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塔からの脱走者

そこいらの山がミジンコのように見える程の塔の真っ暗な部屋の中、モニターを覗いている一つの人影があった。


「あぁ、創造神様。やーっと目覚めたんですね、マーの大好きな創造神様♡」


人影はモニターに映ったルアンを見つめるとそんな独り言を呟きながら手元のルアンと瓜二つの人形に頬を擦り付ける。


「創造神様、貴方のマーリンが今参りますよ!!」


マーリンはそう言うと固く閉ざされていた窓を蹴飛ばしその部屋から飛び出し、真っ逆さまにそこの見えない暗闇へ落ちて行く。


「こんなつまらないアヴァロン(鳥籠)なんて要らないやっ!!」


マーリンがそう口にし腕を横薙ぎに振るうと塔は真っ二つに折れ、横に伸ばした腕を目の前に持っていき拳を握ると折れた塔が一箇所に集まり地球の直径程あった塔が一瞬でビー玉の様な球体になる。


「さあおいで、マーを閉じ込めてたクソ円柱め!!」


マーリンが叫ぶとビー玉になったアヴァロンがマーリンの小さな手の中に収まる。


「待っててね創造神様♡」



~~~




「ぶえぇっくしっ!!」

「ワォ?!ビックリしてハデスさん心臓消し飛ばすとこだったよ」

「お前が言うとシャレに聞こえねぇんだが…………」


突然のくしゃみに驚いたハデスの冗談にルアンはジト目を送り鼻をすする。


「何をしているのですか、試練の途中ですよ。そんなに余裕ならもう少し増やしますよ」

「おう、頼むわアテナ。そろそろこの数にも慣れてきた」


現在、アテナのおい待てって!!(O)これ死ぬから!(K)精神が死ぬから(S)辞めてくれ!!(Y)レベルに上げてからかれこれ三万四千回目程の死闘を繰り広げていた。


「そろそろ神の出力操作に慣れてきたからハデスレベルのやつら四桁くれ」

「はい、少し待っててくださいね」

「いやぁ、すごい成長だねぇ」


ハデスの言う通り自分でも随分と成長したと思う。OKSYレベルを始めた時はゴブリンレベルにすら殺された始末だからな……。


ステータスにあった通り0~Infinityまであるため出力の加減によって全てのステータスが変わってくるのだ。


「最初の頃のルアン君はお笑いだったねぇ、何しろ出されたゴブリンに余裕ぶっこいて殴りにかかったらまさかのワンパンで倒されるんだもんなぁ」

「う、うるせぇ!!いつもの力の出し方と違うから悪いんだよ!!」

「ゴブリンに走って殴りにかかって顔面を殴ったらゴブリンに何してんだこいつって顔で見られて平手打ちをペシりとやられてお陀仏って…………ぐふっ、面白すぎるよ」

「…………」


腹を抱えて笑うハデスに自らの持ちうる全ての魔力を使いバスケットボール程のエネルギー弾を作るとそれを光速で投げ付ける。


「あっ、やぶえぁ?!」


エネルギー弾の接近に気付いたハデスはそれを避けようとするも流石の光速で飛んでくる弾を避けることが出来ず蒸発した。


「ハデスも馬鹿ですねぇ三万八千六百四十六回目ほどから創造神様の出力がハデスを上回っているのにあんな減らず口を」

「まぁすぐ生き返るしいいんじゃね?」


もう既に死というものを一種の戦闘不能程度にしか思っていない二人はハデスの復活を雑談をしながら待つのだった。

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