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白と黒の再会

雪が降りしきる夜

少女達は先の見えない暗闇に落とされた


少女達は瞳に魔力を宿しておりそれに気づいた神官はその少女達を悪魔だと騒ぎ立てた

その騒ぎにより少女達は悪魔の子という扱いを受け、ある男に拾われた━━その男が最悪の人間だと知っていたらついて行かなかったというのに


一人は奴隷にされ一人は奴隷を売る側になった

奴隷を売る側にされた少女は一生懸命働くからもう一人の少女を助けて欲しいと男に言った


男はその言葉を待っていたとばかりに返事を返す

しかし男はその願いなど聞くはずがなく後3日でその少女を売る予定だった

たまたまその少女に八合わせた男がいなければ売れていたであろう




「なんであの子はここを脱走したんだ、このままだと売られるか殺されてしまう」


群青の瞳に絶望の色を写した少女がもう一人を探すために右眼に魔力を込める、すると群青の瞳には街の全体図が写り出される


この瞳は千里とまではいかないが百里程度まで見える力を持っている


「あ!!いた!!」


目的の人を見つけた少女はついつい大声を出してしまう


「ぁ、何でもありません……」


周りの視線に縮こまりながらも目的の人の周囲を確認する


そこには余り目立たなそうな青年とやる気の無さそうな銀髪少女がいた


まさか、あの子を連れてく気なの?!


少女は心の中で怒りを乗せ叫ぶ


「すみません少し休憩を貰ってもいいでしょうか」


少女は表情に出さぬよう注意しながら奴隷商人に尋ねる


「ほぉ、珍しいな普段ちゃんと働いてんだ少しくらいいいだろ」

「ありがとうございます」


少女は安堵と共にもう何も奪わせないと決意し、家族を探す



~~~



「お前の家族ってどんな奴なんだ?」

「髪が白くて短くて目が青い大人しめの奴」

「その子も猫人なのか?」

「そうだよ」

『ルアンさん、誰かいますよ』


気づいてる気づいてる俺より存在感あるもん

自分で言ってて傷つくわ……それよりスキルを使ってみるか


時の無視Lv4発動


スキルを発動した瞬間俺以外の動きが止まった

止まっている間に隠れている猫人をアス達の前まで運ぶ


『何をする気なんですか?』

「ファ?!あぁ、ファルか。この子と合わせるためだよ」

『………そうですか』


少し殺気立っていたから驚かせて襲ってこないようにする為でもあるが


時の無視Lv4解除


「やぁこんにちわはぁ?!」


いきなり顔に短剣を向けている

だが尻尾は垂れて体に付けていることから怯えていることがわかる


「怯えているの?」

「んな?!」


少女は顔を赤くし尻尾を抑える


「おおお怯えてなんかいませんよ!!」

「猫の尻尾は全てを語る」

「何を言っているんですか!!」


こんなやり取りをしていると黒猫の方が白猫の子に向かって嬉しそうに近づいていく。


「良かったよ、この人達が僕達を村に返してくれるって」

「嘘に決まってるでしょ!!どうせまた奴隷にする気だよ!!」


黒猫の子が嬉しそうに言うとそれを白猫の子が否定するが━━


━━「この人達からは悪意の色が見えないよ」

「え?」

「僕ずっと黙っていたけど相手の心が色で見えるのだから間違いない」

「う、うぅん…ネスの言うことだから本当なのかな」

「ネスって名前なのか」

「あ、ごめんなさい。最初は警戒して言ってなかったけど僕の名前はネスって言うんだよ」


ネスは少し申し訳なさそうに言う。


「君は?」

「人に聞く前にまず自分から名乗るべきです」

「俺はルアンだ」

「私の名前はルスです」


確かどこかの国で光という意味だったな。ネスは多分ダークネスからきてるのかな?


「お願いがあります」

「どうしたの?ルスが珍しく」

「奴隷商人のボスを殺してください」

「断る」

「なんで!!」

「俺は君とネスを連れて村に連れていくだけだ。第一にボスってのを知らないからな」

「あの村が奴隷商人達に標的にされていると言ったら?」


俺は頭を掻き毟り思考にはいる


世界が耳が痛いほどの静寂に支配される

その静寂の中ルスとネスは尻尾を小さく左右に振っている


「わかったよ協力するよ」

「本当ですか!!」


猫が尻尾を左右に小さく振って待っているのは期待している証拠だ、こんな可愛い猫娘達に期待されていたら男なら断れない。


「ただしそれが終わったら一つ願いを叶えてね」

「は、はいわかりました」

「交渉成立」


『マスター、なにかんがえてるの』

『猫好きなら誰しもがやりたいこと(自分の中では)』

『マスターはいやらしいことでも考えているの?』

『んなわけねぇだろ!!』

『へぇ………』

『ファルさん?!無言の圧力やめて!!』

『仕方ないですね、限界してやります』


ファルが頬を膨らませてジト目で言ってくる。


『なに怒ってるの!?ちょっと待て、流石にここで現界はまず━━━』


言い終える前にファルが現界を始めてしまった。

ファルが現界すると目も開けられない程の光と共に熱風が吹き荒れる。

光が収まるとそこには黒く凶悪な竜が……いる訳ではなく俺の胸の辺りまでしかない背丈に夜空のような黒いボブカット、そして鮮やかな翠をランランと光らせるファルが立っていた。


「ファル?その姿」

「あれ?なんかできました」

「人型になれるようになったのか?」

「やってやりましたよ!!」

「やったな!!やっとファルと冒険できるのか!!」

「で、さっきの約束どういう事をする気なんですか」


ファルが不機嫌そうにずいずい寄ってくる


「い、いや耳とか触らせてもらおうかなーって……」

「そんな事をかんがえていたんですか」

「はい、すみません」


今日の俺は謝ってばっかりだな……あの2人はこんな奴にボスが倒せるわけないとか思われてそう


その2人は目の前にいきなり現れたファルに驚いていただけでありルアンの考えは杞憂だった



「体の調子はどうですか?」

「まぁ良くなってきてる」

「またあんな無茶したら嫌いになりますよ」

「それだけはやめてファルさんはこの世界で一番最初にできた友達だから嫌われたら立ち直れない……ファルサン?ちょっとこれを羽織っときましょう……こっちがもたないから…」


ファルは人型で出てきたため鱗などなく文字通り真っ裸なのでこっちの世界に来る時に着ていたパーカーをファルに渡す。


ファルの顔は見る見るうちに紅くなっていき目が泳ぎまくっていた。


「マスター私は〜?」

「まずお前は空気を読めるようになれ!!」

「マスターひどい」

「あはははは!!ねぇルスこの人達面白いでしょ?」

「ま…まぁ面白いね」

「この人達といると退屈しないんだ」

「そうだね」


ルスはネスに対し笑顔で答えるが

尻尾だけは垂れ下がり今の気持ち素直にを表していた

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