七大罪
また遅れてしまいました、本当に反省しています。
一方ルアン達が魔力操作の練習をしている同時刻。
「ちっ、怠惰と嫉妬が来ましたねぇ、正直あの二匹今すぐにでもひねり殺したいですけどダメですかぁ?」
「ダメに決まってるじゃないですか」
円卓の一席に座るベルゼブブが不快そうに言うとすぐさま否定の声が上がる。
「はぁ、流石に貴女が言うことでも許容できなくなってきますよぉ?」
「その時は情け容赦なく殺します」
膨大な殺意と魔力を乗せた威圧にベルゼブブは舌を出し馬鹿にしたような笑みを浮かべると席の隣にある山のような骨を一つ口に入れバリボリと咀嚼する。
「七罪王にしては怠惰は些か力不足だな。新たな適性のある者に切り替えた方が為になると思うが」
「アモン?あの子の代わりなんていないしなにかしよう物ならぶち殺すよ?」
「何故ルシファーはあの雑魚に肩入れをするのですかぁ?」
どこか気だるそうにベルゼブブがルシファーへ問いかけるとルシファーの口が三日月のように吊り上がり━━
━━「私の計画に必要なだけです、それ以上でも以下でもありません」
ルシファーはそう言うと手に持った何かに視線を向けニタニタとし始める。
「そうだアモンさん、神聖悪魔計画はどうなったんですかぁ?」
「む、あれは途中までは上手くいっていたのだがアテナなる神に邪魔をされやむ無く中止となった」
「あんだけ意気込んでたのに百年もしないで中止とか出さすぎますねぇ」
ベルゼブブの一言にアモンの顔は苦虫を噛み潰したように顔を歪ませる。
「五月蝿い、作曲が進まないじゃないか。そろそろそのノイズを出すのをやめてくれないかな」
「お前こそ人間を楽器に曲を弾くなんてつまらない事やめたらいんじゃないんですかぁ?」
『ピアニッシモ』
「ぐっ、やる気だってんなら受けてたちますよぉ?」
ベルゼブブが足に力を入れ飛び込もうとしたその時
『フォルテッシモ』
作曲家の悪魔がそう唱えた次の瞬間、ベルゼブブが足に溜めていた力が爆発的に増幅し音速で作曲家の悪魔の横を通り過ぎ壁と激突する。
「はぁ、全く学ばないね、これだから曲の良さがわからないんだ」
作曲家の悪魔が溜息を一つ吐くと唐突に曲を奏で始める。
「やぁ、初めまして怠惰さん」
その作曲家の悪魔の視線の先には一人の青年と嫉妬の竜レヴィアタンが立っていた。




