冥界の試練 憤怒
発動した【憤怒】により身体中の血液が煮え滾り全身が燃えるように熱くなって来る。
これ正直苦しいから嫌なんだよな、少しずつではあるが慣れてきてはいるけど。
「ガアァァァアア!!」
「ほいさっ」
ファフニールが噛み付いてきたがそれを軽々と飛び越えがら空きの胴へ蹴りを一つ入れ飛び上がりファフニールの間合いから離脱する。
「グルアァァァア!!」
飛び上がったその瞬間俺のいた場所に鞭のようにしなった尻尾が通過した。
ここは安定のヒットアンドアウェイで行かないとどれかに被弾して動けなくなるな。
そんなことを考えながらナイフを数本取り出し手に取るとファフニールの元へ走り出して行く。
それをファフニールが黙って見ている訳もなくブレスを吐いて応戦してくる。
勿論予測していた事態だったためブレスの当たらない程度の高度で飛び跳ね避けると次空間からナイフを射出し俺自身はファフニールの下へ潜り込み足や腹をこんで切り付け通り過ぎる。
「グルルゥアァァァア!!」
「痛い?ごめんなさいね、やらなきゃ殺られるからね」
ファフニールに不敵な笑みを送るとファフニールの目にナイフを投げ付け【スルースキル】を使用する。
すると案の定ファフニールはナイフを腕で振り払った後俺の事を見失った。
その瞬間を待っていた俺は一気にファフニールの懐まで詰め首元にある逆鱗を掴み思い切り引っ張りそこに出来た隙間をこんで切り裂く。
「ゴガアァァア!」
逆鱗を切り取るとファフニールは苦しそうに暴れ狂いただドスドスとそこら中に攻撃を始める。
流石逆鱗、ドラゴンの弱点だけあって効き目がいい。いや、あいつが痛みになれてないだけっていう可能性もあるが。
まぁいい、こんな都合のいい状態ならやることは一つ。
「久々だな、さぁファフニール。処刑の時間だ!!」
その言葉と共に俺は時空間をファフニールへ向け十二個開け、そこから今ある限りのナイフや試作品の武器を射出しまくる。
見る見るうちにファフニールからナイフや槍などの武器達が生えてゆき一瞬にして巨大なハリネズミが完成する。
「仕上げと行きましょうか」
痛みと武器により身動きが取れなくなったファフニールに一瞬で間合いを詰めるとその首に向かってこんを一閃しその首が落ちた。
「ふぅ、これでいいんだろハーデスさんよ?」
「あっらまぁ(笑)ずーいぶんと派手にやってくれちゃってぇ凄いわ!偉いわ!お見逸れしましたわぁ!!」
「それと、さっき俺の言ったこと…………忘れてないよな?」
「………………。」
俺がマジトーンでそう言った瞬間ハーデスはそっぽを向き鼻歌を歌いながらどこかえ行こうとし━━
━━ガシッ
「何処へ行こうというのだね?」
どこぞの大佐のセリフと共に肩を掴み頬に一発拳を入れた。




