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強欲悪魔の臨界

さて、どうしよう。

今俺はこの世界に来てから最大のピンチを迎えている


手には汗を握り、背筋は凍り、膝は若干震えている


「大丈夫か?」

「ちょっとダメ」


後ろに隠れているアスと黒猫人の子は瞳に絶望の色を写して震えている


「我が名はアモンこの世界の神だ」

「いきなりボスのお出ましですか」

「その気配、貴様!!まさか怠惰か!?」

「まぁ俺は怠惰な人間だが、何故驚く」


声の震えを抑えきれず言葉を発する


現在何故このようなことになったか?それは少し前に遡る



~~~



俺達は奴隷商人に関する情報を集めるために動き出した


「とりあえずギルドで情報を集めよう」

「さんせい」

「う、うん」

『ギルドで情報なんて集まるんですか?』


大体あそこにいる奴らは酒飲んでて口が滑りやすいから大体の事は話してくれるだろ。


『なるほど』

「なぁ、奴隷商人について知ってることないか?」

「んぁぁ?あんちゃん奴隷に興味あんのかい?」

「あぁ、ちょっとな」


相手の質問に適当な返事を返すとその男は軽い口を開く


「奴隷館はこの街の北の方にあるらしい。まぁ詳しい話は情報屋を紹介してやるからそいつから聞きな」

「おう」

「ほら、これを持ってけこいつを見せれば割引してくれるさ」

「ありがとな」

「いいってことよ」


『随分慣れているようですね?』


慣れてなんかないよコミュ障だからかなり精神的にきつかったんだから


『コミュ障?コミュ障って何ですか?』


き、気にしないでいいよ


『マスターのコミュ障〜コミュ障〜、でマスターコミュ障って何?』


俺は無言でこめかみグリグリし始める


「あうあうあーマスターいたいほんとにやめておねがいします〜」

「だが断る」

「ひどい……きちく、ドs」

「やめてあげたら?」

「仕方ない、命拾いしたな」

「たすかったありがとう」

「情報屋のところに行くか」

「そうだね」


確かこの裏路地にいるはずなんだが


「ホークアイいるか?」


その言葉を待ってましたと言わんばかりに暗がりからフードを被った小さな影がヌッと出てきた


「お呼びですかイ?」

「こいつから紹介された奴隷館について教えてくれ」


ギルドの男から貰った紙を見せるとホークアイは目を見開いて俺を見る


「なるほどあいつの知り合いか、なら料金はいらねぇヤ」

「ファ?」


口からは自分の声かわからないほどの情けない声が出た


「流石にタダは怖いぜ?」

「わかった、なら銀貨一枚でどうダ?」

「それなら信頼できる」

「おかしな奴だなここら辺の奴なら無償で情報を貰おうとするんだがネ」

「俺の住んでいたところにはタダより怖いものはないって言葉があるんだぜ?」

「なるほどなそりゃあ言えてるワ」


時間にして一分弱、その間にこの男と信頼に値する物を得た気がする


「奴隷館についてだったな、ならこいつを見てくれヨ」


そう言うとホークアイは地図を取り出し侵入経路や警備の人数、配置などを細かく教えてくれた


「何故俺に必要な情報が分かった?」

「そりゃあもちろん企業秘密サ」

「まぁ俺には関係ないか、ありがとうな」

「まぁこっちは情報屋だからナ。おっと今日行くのは危ないゼ?まぁ得るものは多いがナ」

「お、おう気を付けるわ」

「じゃあナ」


ホークアイと別れ奴隷館に向かっている途中に一筋の雷が落ちてきた



~~~



それから現在にいたる


「フハハハハ!!傲慢以外に怠惰までいるとはな!!七罪王の一柱へと戻れ!!」

「何言ってんのかわかんねぇし七罪王ってなんだ?」

「ほう記憶でも飛んでおるのか?良かろう!!七罪王とは七大罪の悪魔からなる世界を支配する者だ!!」

「その悪魔さんが今では神を名乗っていると?」

「ほぅそこまで知っているとはな」

「丁度後ろにいる仲間がお前の知り合いでね、一発ぶん殴りたかったとこだ!!」


地面が抉れる程の踏み込みから一気に強欲な糞に拳を入れた━━━━━はずだった


俺の拳は宙をまい徒花を咲かせ、肩からは腕を失った事により血が滝のように流れていた


「ウグァァァァ!!」

「ハッ!!痛いか?まともに力が使えんか?フハハハハ!!無様、あまりにも無様だな!!」


俺は痛さに叫んだのではない、血を見ることによりバーサーカーの本性を表しただけである


「ヴルァァァァ!!」

「なにっ?!」


アモンが錐揉み状に吹き飛ぶ、それを追うように俺の足が動く

だがそれに反応するようにアモンが体制を立て直し接近した俺を蹴り飛ばす。

アモンに蹴り飛ばされた体は勢いよく飛び表にある露店に突っ込んだ。


「グゥ…今の蹴りは効いたぞ。流石と言ったところだ、七罪王の話は次の機会にするか。今は別の事で詰まっているのでな、少しは楽しめたぞフハハハハ!!」


アモンが指を鳴らすと光となって天へと消えていった

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