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冥界の試練

「さあさあ、皆さんここからはルアン君の奮闘を見てみようか♪」


まずここでは肉体を鍛えることが出来ない、ここには霊体及び精神体しか存在出来ないためだ。

そこで、何を行うかと言うと戦闘で役に立つ動きをその魂に気に刻む事と、魔法の行使及び幻影魔術を始め様々な魔法の抵抗力を上げる事などだ。


「そんでもってぇ〜今ルアン君が挑んでるのは魂に動きを刻む訓練だね。おっ、やーるぅ」

「一々うるせぇ!!」


ルアンはハーデスに一言怒鳴りつけると目の前の迫り来る人形の頭を掴み後方にいた人形へと投げつける。


「うーんいいねぇ、それじゃ創造神さん、ルアン君視点にして貰えるかな?」

「さっきからお前は何を言っているんだ!?」


俺はそう言い捨てると右からくる気持ちの悪い人形にドロップキックをかまし人形の顔を足場に真横に飛ぶと迫って来ていた人形を掴み肩に足を乗せ立ち上がり飛び降りるのと同時にかかと落としで人形の頭を粉砕する。


「おおー入ってきた時とは大違いでかなり戦い慣れしてきたねぇ」

「そりゃ一年近くずっと戦わせられてりゃな!!」


人形に裏拳を入れ掴みかかってきた人形をしゃがみこみ躱すとそのまま腕を掴んで裏拳を入れた人形に向かって叩き付ける。


バラバラと音を立てながら崩れていく最後の人形を見て俺は一つため息を一つ吐きハーデスの方を見る。


「終わりか?」

「こっちの事考えないでひたすらに壊しまくってくれるからもう在庫がすっからかんだよ?」

「嘘つけ、こんなもんじゃ済まないだろ」

「あ、バレた?」

「一年近くもお前といたらスキル無しでも嘘ぐらい見破れるようになったわ」


顔に手を当てながらそう答えるとハーデスはニヤッと笑うと唐突に拍手を始める。


「流石だねぇやるねぇ、そんじゃあそろそろ元の場所にもどしてあげようかな」

「本当…………みたいだな」

「たーだーし、アテナちゃんからの試練にクリアしたらだけどね♪」

「出来なかったら?」

「また修行の日々に逆戻り」


それはそれは、アテナちゃんは何を考えているのでしょう。的に塩を送って敵を強くしちゃってRPGの魔王様みたいですねぇ?


「んで、やっちゃうの?やっちゃうの?」

「それはもちろんやってやるわ」

「よーし、言質は取ったぞぉ?では試練始めちゃいましょー!!」


ノリノリなハーデスがパチンと指を鳴らすとそこには見るからに悪そうな面のファフニールと俺が立っていた。


「昔の君達とやり合ってもらおうか、この二人チョー強いよ?」

「過去の自分とやらに負けてる場合じゃないし今の俺は昨日の俺より強い、だからいけるさ」


手元に出現したこんのようなものを手に取り構えると過去の俺達を見据える。


「過去の人間はどうぞ退出願いますよ」


俺は口角を上げニヤッと笑うとそう吐き捨てた。

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