ようこそ冥界へ
「起きて、ほら、起きてくださ〜い?朝ですよールアンくーん。起きろってば!!」
俺は変な男の声によって━ものすごく揺さぶられもして━起きた。
「ん、ここは何処だ?」
「おっ、やーっと起きたねぇ」
変な男は俺が起きたのを確認すると目の前で腕を組みニヤニヤと笑う。
「さて、私は誰?ここは何処?クーイズ!!さて、私は誰で?ここは何処でしょう?」
「いや分からないから聞いてんだよ」
変な男の意味のわからない言動にツッコミを入れあたりをキョロキョロと見回す、そして分かったことはここが地獄に似た所だということだけだ。
「連れないなぁ〜?じゃあ仕方ないね、我が名はハーデスこの冥界を収める神さ♪」
あー、何でこうも悪そうな神様は軽いんだろう………………ん?今なにか違和感があった気が…………気の所為か。
「あれぇ?拍手も驚きの声もないなぁ、ハーデスさん悲しーい」
「いや、どう見てもヘラヘラと笑ってるじゃねぇか」
俺のツッコミにハーデスはバレた?とニヤニヤと笑い懐から何かを取り出す。
「ルアン君、これを見てご覧?」
「その手に持ってるエロ本なら読まんぞ」
「あらっ?!間違えちゃった、こっちこっち」
ハーデスは急いで薄い本をしまうと懐から水晶玉のようなものを取り出した。
「ほらほら、これは地上を見れるんだけどね、あのレヴィアタンとファフニールが君にくっ付いて離れないんだよ。君相当モテてるねぇ?」
「戻る方法は?」
「無いよ」
ハーデスの即答に俺は肩を落とし、ため息を一つ吐く。
「普通ならね?今の君にはアテナちゃんからの以来が来てるからね、君をしかるべき方法で扱いて地上に返さないと怒られちゃうんだ♪」
「アテナが?」
「あらあら、神様に向かって呼び捨てとはいい度胸してるねぇ?」
「いや、敵だし」
いや、なら何故敵に塩を送るようなことをしてるんだ?
「アテナちゃんから伝言があるよ?『何こんな所でくたばっているのですか、ハーデスの所で鍛えなさい』だーって」
「鍛えてる時間なんてあ━」
「るんだなーそれが。ここ、あっちと時間が繋がってないわけよ、つまり何を言いたいかと言うとここでの一生はあっちでの0秒で済むってわけ!いやこの冥界じゃ死ねないんだけどね?」
ハーデスは肩をすくめるとニタッと笑い
「まぁ一番つらいのはここからは割愛しまくりってことなんだけどね♪」
「いや割愛ってなんの話しを」
「はいはーい、作者さーん?かーつあい!!」
━━━━━ブツン━━━━━




