本戦第二回戦②
フーラの拳が振り上げられヤマト目掛けて振り下ろされる。
━━ドゴッ
フーラの拳が試合場を轟音をたてながら粉砕する。
[これはなんという事だ!!あのフーラ選手が巨大化したあぁぁ?!これは前回にはなかった展開だ!!対するヤマト選手は?]
司会さんの熱の入った実況により観客全員の目が粉砕された試合場に吸い込まれていた。
会場内のほぼ全員が固唾を飲み押し黙って見ていると何かの駆動音が聞こえてきた。
ヤマトの能力にこのエンジン音…………戦闘機か!!
その答えは直ぐに分かることとなった。
[おっと!砂煙の中から現れたのは何かに乗ったヤマト選手だ!!]
出てきたヤマトはどうやっているのか戦闘機の上に立ち、攻撃の準備をしていた。
「あらぁ?まーだ戦うのね?なら容赦しないわよ?むぅうん!!」
フーラは空を飛んで周りをくるくると旋回しているヤマト目掛け拳を突き出すがそれをヤマトは旋回する事で軽々とその拳を避ける。
「全艦主砲用意、打てぇぇぇぇ!!」
そのヤマトの号令により主砲が発射され拳を振り抜いた状態のフーラはそれを避けも防ぎも出来ず全魔弾がフーラに次々と入っていく。
「グオオォオォアアァア!!」
次々とフーラに魔弾が着弾し爆ぜる音とフーラの地声が合わさり一種の大怪獣モノのワンシーンのようになっている。
「許サン、小僧ガアァァァ!!」
戦闘機による回避とひっきりなしに放たれる魔弾に完全にキレたフーラは男声で怒り狂っている。
「行け!」
ヤマトの合図により出てきたのは機体に何か黒いものを付けた戦闘機だった。
「ちょこまかちょこまか鬱陶しい!!」
フーラが憤りながら手で振り払おうとすると黒いものを積んだ戦闘機はそれを軽々と避けフーラに黒いものを投下し━━
━━爆音を立てながら爆ぜた。
爆撃機か、あの能力敵に回したらちょっと怖いな。
「グアアオ、貴様ァァァ!!」
フーラが激怒し手当たり次第に殴り掛かり出すとヤマトは上空へと上がって行き、戦闘機から飛び下りた。
「お前の敗因は二つだ、巨大化して的を大きくした事、そして僕が相手だっていうこと!!全戦隊用意、一斉射撃!!」
ヤマトの号令により大砲に始まり火縄銃、戦闘機など数々の兵器がフーラへ全弾を力の限り浴びせる。
「グヴウゥアァァア!!」
一斉射撃を浴びたフーラは叫びを一つ放つとそのまま元のサイズへと戻っていき砂煙が晴れた頃には気を失い仰向けになって倒れていた。
[き、決まったぁぁぁぁ!!本戦第二回戦勝者はーーヤマトだーー!!!]
「見ていたかルアン!!僕は勝ったぞ!!」
目をキラッキラとさせこちらへ手を振ってくるヤマトにサムズアップをして返す。
[さあさあ盛り上がってきました!!ここで竜王様がご到着です!!龍は地に舞い降りる!!]
その司会さんの発言の数瞬後闘技場は眩い光に包まれた。




