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番外編 ハッピーハロウィン①

闘技場書くのにあきt…………ゲフンゲフン、時期が時期なので番外編書いてみました。


ハロウィン、それは秋の収穫を祝い悪霊を追い出すものであるが現在では大人から高校生位までは東京の方で仮装し「この仮装可愛いでしょ?」「ハロウィンだーヒヤッフー!!」だの騒ぎ。子供達は仮装し家をまわってお菓子を貰いお菓子がない家にはイタズラをするというもうひっちゃかめっちゃかな日だ。


ところで、何故こんな話をしたのかと言うと━━━



━━━「オラ!!さっさとくたばりやがれ!!」

「くひゃひゃひゃ!!」

「そっち行ったぞ!!新人共逃がすんじゃねぇぞ!?」


男達の怒号と肉を裂き骨を断つ音がオーケストラのようにこの暗く薄気味の悪い街に響いていく。


━━そう、何故ハロウィンの話をしたかと言うと今まさにこちらではハロウィンナイトだからだ。



当たりを見回せばスケルトン、ゾンビ、あれは恐らく悪魔?など多種多様の仮装をした冒険者達が本物のアンデッド達やこのタイミングに乗じて出てきた三下悪魔達と戦闘をしている。

クエストカウンターの受付さんから聞いたことだがこちらのハロウィンは何処からか悪霊や悪魔達が溢れんばかりに出現し街にイタズラもとい総攻撃を仕掛けてくるのだ。


こっちのハロウィンやべぇな…………悪霊や悪魔を追い出す祭とは聞いた事はあるがこれはやーばい、こんな血みどろな祭りとか聞いた事ねぇよ。


「ルアン、お菓子の為に悪魔退治頑張るよ!!」

「兄ぃさっさとこいつら倒してお菓子貰いに行きやがるんですよ」

「マスター、おかしほしいだからさっさところそ?」


三人が口々に行っているお菓子とは冒険者ギルドの方でこの時期に出て来る悪霊、悪魔達を倒すことで貰える特別な菓子の事である。

何故冒険者ギルドがこんなことをしているかと言うとまず前提に冒険者は大半が金稼ぎにやってきている、そこでこの世界では貴重な甘味を報酬にする事でそれを目当てに冒険者達がこぞって参加するという寸法なのだ。


なので当たりを見回せばむさくるしい男共だけという訳ではなく魔女やフランケンシュタインの様に頭にネジの飾りを付けたりしている女冒険者もいる。

そしてうちのメンバーも例外では無い、ファルは自身の羽を出しそれっぽいマントを羽織った吸血鬼。ケトは狼男のつもりなのだろう、頭に犬耳を付け尻尾もしっかりと付け外装を見に纏っている。そしてアスは頭に大きなネジの小道具を付け白い━返り血で真っ白では無く血の模様が描かれている━ワンピースを見に纏っている。

かく言う俺はそこら辺で売っていた仮面を付けただけという安上がりで手間のかからないものだ。


「ご主人様、あのパンプキンヘッズ何体か倒して下さい、私あの人にレシピ聞いて新しい料理試したいです」

「おう、あいつなら良いもの教えてくれそうだな」

「ウチあの人が教えてくれる料理美味しくて好きっす!!」


フィルの発言に満場一致で頷くと流石に動かないと獲物が無くなるので全員で討伐にかかる。


ここで言うあいつ、については後々説明する事にするので今は気にしないで頂きたい。


前線を張る冒険者達を軽々と飛び越え魔物達の集団の真上に着くと次空間から一本の槍を取り出す。

その槍には無数の魔法によって描かれた文字が紅く光っており、俺はそれに魔力を注ぎ地上の魔物へ向け投擲━━


━━すると手を離れた槍は数瞬後に眩い紅の光を放ち光が納まった頃には何百本もの槍に増え魔物達に降り注いで行く。


「おーぉ、すっごい殲滅力だな擬似ゲイ・ボルグ、流石に逸話通り必中したり鎧を突き破るだの出来ないが物量だけなら負けないな」


自ら作成した━槍自体は作って貰ったのだが━武器の性能に上機嫌になった俺はもう一つの武器を取り出す。


「お次はまだ無名のハンマーだがこれはどうかな!!」


地面に降り立った俺はまだ殲滅できていない方に取り出したハンマーを投擲する。

すると、手に持ち魔力を注いでいたときはそんじょそこらのハンマーと同じ重量だが魔力が途切れた瞬間に何万倍もの重さに変り目の前の魔物達の腐った肉を千切り、骨を砕き飛んでいく。


「おおぉ、これも良い性能だな」

『むぅー』


俺が作った武器で遊んでいると腰に下げているこんから嫉妬の念が送られてくるのを感じる。


「あーごめん」

『ぷぃっ』


どうやら俺が他の武器を使っていることに嫉妬し拗ねてしまったらしい。


「ごめんよこん、この祭りが終わるまで使ってあげるから機嫌を直してくれよ」

『ん、本当?』

「本当だ、今日はずーっとこんを使ってあげる」

『ん、それは魅力的な交渉、しょうがないから機嫌を治す』


ふぅ、せっかくの祭りで嫌な思いをさせるのはしのびないからな。



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