予選Aブロック
連日投稿してみましたサプライズです
50人もの戦士達が発する殺伐とした空気と飛び交う熱狂が闘技場を覆い尽くす。
その闘技場に49人の力自慢達と一人の少女が立った。
何故こんな事を言っているかと言うと、49人はただの引き立て役のモブキャラ達だからである。
開始のゴングから数秒後、そこには一人の少女だけが立っていた。顔はフードを深く被っていて見えないがその華奢な手足にフリルの着いたスカートそして周りと比べて圧倒的に小さく140cmほどの身長しかない為男の娘出ない限り少女と呼ぶのがふさわしいだろう。
試合内容だが特に派手なものではなく彼女が消えるような速度で動き恐らく鞘に入れたままの剣で叩き全てのモブキャラ達を気絶させたようだ。
「やるな、あの子」
『主ならあれくらい出来る、でしょ?』
「あはは、流石にあれは無理かな…………」
こんの恐ろしい程の過大評価に苦笑いしつつこの予選すら危ういかもしれないと内心で冷や汗をダラダラと垂らす。
[お、おーっと!!何が起きたのでしょうか!!瞬きの間に戦士達が次々と倒れていったああぁぁ!! ]
おお、固まった人達の中で実況さんが一番初めに立ち直ったか。
実況さんの実況似合わせて次々と観客達が我に帰っていき爆発のような歓声がこの国を包み込んだ。
うおおぉぉ…………最初からこんな盛り上げられたら後がきついぞぉ…………。
『主、頑張ろ?こん応援してるから、ね?』
こおぉぉん!!それはちょぉぉっと重すぎるプレッシャーに変わるからね?!
先程から悶絶したり刀に話しかけたり急に頭を抱え出す俺を見て周りの奴らがなんだアイツ、やべぇぜってえやべぇ奴だよ。なんて言っているのに気付かずただひたすらに俺は悶えていた。
〜〜〜
ぬるいなー、やっぱりチート能力と師匠に鍛えられた力があるから周りの強そうな人がワンパンだよ。
私は周りの死体(気絶しているだけ)の山を見回してそう思う。
[お、おーっと!!何が起きたのでしょうか!!瞬きの間に戦士達が次々と倒れていったああぁぁ!! ]
うーん、やっぱりそう見えるよねー、私からしたらちょっと走って首筋トントンしただけなのに。
そんな事を考えつつ一応サービスとしてピースサインと笑顔を振りまく。顔はフードのおかげで殆ど見えてないけどね。
ここで優勝して師匠に認めて貰わないとこの世界を自由に冒険出来ないからね、よーし頑張っちゃうぞぉ!!
自分を奮い立たせ次に始まる本戦に少し不安を残しながらも試合場を後にした。




