ケバブ?
なんとか投稿出来ました!!
あの後なんの支障もなく俺達はエル・ドラグノフへとはいることが出来たのだった。
エル・ドラグノフ、ここは元々活火山であった場所だが先代のドラゴン達がマグマを飲み干し山の内側を食い削りここを一つの国家として成立させたと言う逸話が残っている国だ。
思ったより人型の奴らがいるな。それがこの国に入ってきて最初の感想である。
この国は先程の逸話の通り活火山から出来ており入口が上から入るものとなっているのだ。その為上空から入ってくるしかなく、その時ドラゴン以外に人型の何かも見えていた。
上から来るこちら同様下のドラゴン達にもこちらが見える為ドラゴン達は外から入ってきたものに視線を向け敵なら一斉射撃敵でないなら放置という対応をしているのだ。これは恐らく敵対種族が攻め入って来た時に即座に対応する工夫だろう。
俺達は角や羽根、尻尾を出しドラゴンと共に飛んでいる為敵とは思われずに済んだのだろう。
「おっかねぇなこの国」
「まぁどの国もここに比べたらぬるま湯どころか氷風呂っすもんね〜」
フィルよ、お主の例えはわかるようでわからんぞ…………。
「Grrr」
「あ、ああ!!私達は色々な所を見て回ってるの!!だからほかの国がどうとかって言ってるんだよ」
あっちはあっちで何を言ってるかわからないけど多分フィルと俺の尻拭いだろう。…………すまんファル
心の中でファルに謝りつつも辺りを見回していると露店の商品が目に入った、それは一言で言うなら原始的と言った感じの品物がズラっと並んでいる。
骨をオカリナのように中身をくり抜き穴を開けた楽器やケバブのように大きな肉の塊をそいで売っているところもある。
「ほぉ、これはこれでいい感じだな」
「ご主人、あれ!あれ買いましょ!!食べたいっす!!」
隣を歩いていたフィルが異世界ケバブを見て目をキラッキラさせて袖を引っ張る。
「はいよ、全員分でいいんだな?」
「うん!!」
「はいっす!!」
「Grr……」
「お前は何言ってるか分からないからお前のも買うぞ」
俺の有無を言わせぬ発言にドラゴンはその顔を呆れの表情へと変える。
「すみませーん、これ4つ下さい」
俺が店のドラゴンに言うとドラゴンは片眉?を上げ角、羽根、尻尾を確認すると奥から持ってきた肉を口から吐き出した炎で一瞬の内にこんがりと美味しそうな焼肉に仕立て上げる。
おお、流石はドラゴン、調理法も独特で面白くてその上早い。
更にこれらが合計で銀貨2枚というリーズナブルな価格なのだ。
まさに早い安い上手い(恐らく)が揃っている!
ドラゴンから肉を受け取るとファル達の元へ帰る。
「すごいっす!!美味しそうっすね!!」
「んじゃみんなで座って食べるか」
エル・ドラグノフに来て初めての思い出は異世界ケバブで始まった。




