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暴食

いやいやぁ楽しいですねぇ♪こーんなにも美味しそうな人間達がさらに美味しそうなものを売っているんですから滑稽ですねぇ。


不敵な笑みを浮かべこの街に来た目的と接触する為にキョロキョロと祭りの屋台のような出店を見ながら歩みを進めるカーキ色の髪を短く切りそろえた少年が上機嫌で歩いていた。


「おにーさん、これなんて言うんですかぁ?」

「おっ、坊ちゃんこれかい?これはニホンジン?て人が広めた串焼きってもんだ」

「へぇー美味しそぉですねぇ?」

「坊ちゃん一つサービスしてあげるよ、また今度来てくれよな?」

「わぁい、ありがとうございますぅ。また今度来ますねぇ?」


━━貴方を食べに


少年は無垢な笑顔に見える顔を出店の店主に笑いかけると串焼きを咥え鼻歌交じりに歩みをまた進め始める。


ああ、楽しみだなぁ……今回の新しい怠惰はどんな悪魔なんでしょうかねぇ?



…………おや、移動しましたね、怠惰とだけ会いたかったのですけど傲慢が一緒ですかぁ…………まぁ問題は無いですねぇ。


残りの串焼きを食べ尽くすとニタァっと笑い串を食い尽くす。

口の中で木のバキバキという歯応えと音を楽しむ。


うーん、焼いた肉の汁がいい感じに染み付いてて美味しいですねぇ。



〜〜〜



「シファー、暴食は何処に誘き寄せるんだ?」

「できれば人のいないところがいいですね、この街には今は人一人いないですが昔スラムだった場所があります、そこなら暴れても大丈夫なのでそこに行きましょう」

「了解、堕天使殿」


俺がそう返すとシファーは「ははは」と乾いた笑いと苦笑いで返事をする。



━━━確実にこっちに付いてきてるな、やっぱりこっちが目的なのは間違いじゃ無かったか。


暴食に追いつかれる前にスラム跡地に着いた俺達はいつでも対処できるように武器を用意し暴食の歩いてくる方向を気を抜かず睨み続けている。


するとふんふんふーんと言う鼻声が建物により反響し聞こえてきた。


「鼻歌?」

「来ましたね、ベルゼブブ」

「え?ベルゼブブ?どう聞いてもショタの鼻歌にしか聞こえんのだが」


ショタの鼻声に警戒を強めるシファーに対し俺は訳が分からなく右往左往し、目の前に現れた暴食の圧力に一瞬で気を引き締め直した。


「おやおやぁ?傲慢さんと人間?ねぇ、傲慢さん、怠惰はどこですかぁ?」


ベルゼブブの問いにシファーは肩を竦めると俺が怠惰の力を宿したものだと説明をした。


━━するといきなりベルゼブブは腹を抱えて大笑いし始めた。


「ははははは!!傲慢さんどんな冗談だよ!!そんな人間如きが七大罪に選ばれるわけないだろ」


腹を抱えて笑っていたベルゼブブは一瞬で凍り付くような表情に変わると身体を刺すような殺気が小さな身体から滝のように溢れ出る。


「ッ?!」

「おやおやぁ?」


殺気を感じ取った俺は即座にこんを抜き放つと青眼に構える。


「反応速度はマルですねぇ、でも何で人間なんて下等な種族が選ばれたのでしょねぇ?」

「知らねぇよ、ベルフェゴールに聞け」

「傲慢さん、何か話しました?」

「ベルフェゴールさんの事だったら何も話してないと思いますよ?」


シファーの返事に対しベルゼブブは「ふーん」と目を細めるとルアンの顔目がけて手刀を突き出しそれが防がれたことに少しだけ驚いた。


「へぇ、40%を防ぎますか」

「これで40%ってんなら俺は七大罪やめた方が良さそうだな」


人間にしてはやりますねぇ、少しだけ評価を上げておきますかぁ。



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