違和感
皆が寝静まり月が輝きを放つ夜の街の中、一人の少年が鼻歌を歌いながら街の路地を歩いていた。
「ふんふんふーん、おや?羽虫がうろちょろしてるようですねぇ?」
その少年は宵闇に不敵な笑みを向けるとその刹那その少年がブレ、肉の食いちぎられ骨の噛み砕かれる不快な音とともに血生臭い匂いが辺りに漂う。
「ふふふーっクソまずかったですよ、神の糞下僕共さん?」
そう穏やかに言う少年は紅い目を爛々と輝かせ口元に着いた血を舐めとるとまた鼻歌を始め何事も無かったように歩き始めた。
〜〜〜
竜車の窓から優しい朝日が差し込んでくる。
ん…………朝か、今日は良い天気だな。
いつもの様に俺のベッドに潜り込んでいる面々を起こさないように少し上半身を起こすと何か違和感を感じた。
何だ、これ。街の方から何か嫌な気配がする。
俺がそう感じ取ったのと同じようにシファーもガバッと起き上がり気配のするほうを睨みつけるようにしていた。
「ど、どうした?もしかしてシファーにも分かっているのか?」
「ええ、この気配…………”暴食”がいますね」
暴食という事は俺と同じように七大罪の内の一つを授かったやつがこの街にいるってことか。
「シファー、どうする」
「恐らく暴食はこちらとの接触を目的にこの街に来たと思われます」
「ならこの場所出会わない方がいいかもな、ここにはみんながいるしな」
「暴食の接触する目的がわからない以上戦闘も視野に入れて動かないといけませんしね」
戦闘か、アモンと同じくらいの実力なら間違いなく俺は殺されるな。どうにかして戦闘にならないようにしたいな。
俺はみんなを起こさないように気を付けながらベッドから抜け出すと着替え竜車から出ていく。
『おやおや、かーなりピリピリしてるねぇ?』
「うるせえよベル、そりゃ死ぬかもしれねえのにピリピリしねぇ方がおかしいだろ」
『あははははっそうだねぇー?まぁあいつの事だ、適当にうまいもんでも渡しときゃなんとかなる』
そうか、そういう事なら何か持って行っておくに越したことはないな。
ベルに助言らしきものを貰った俺は適当な食べ物を持って暴食の気配のする場所へと歩き出した。




