アスの水着
店内が静まり返った後、俺はみんなの分の水着の会計を済ましそそくさと店を出た。
俺なんか変な事言っちゃったかね?うーん、とりあえず外で大人しく待つに限るか。
『マスターマスターたいへん』
ん?あぁ、アスか、どうかしたのか?
『みずぎかいたいけどおかねがなかった』
お前は頭がいいのか悪いのかハッキリしろよ
『てへっ』
今から行く、ちょっと待ってろ
『はーい』
みんなにアスを迎えに行ってくることを伝えると俺はアスの声が聞こえて来た方向へ歩き出す。
お迎えがてら並んでいる店の商品などをチラチラと見て回っていると何個か目を引くものがあった。
「あれはこう使えるだろうし、なんだあれ…………ふむ、後で買うか。これは…実用性高いな…………はっ?!」
知らない内に独り言が漏れていたため周りから痛い目線が刺さるが将来的に役に立ちそうなものを見つけられたから結果オーライだ…………多分。
こんな調子で見回っていると『マスター、はやくして』とアスからのお叱りを受けたので声の元へと足早に移動し、アスの待つ店へと到着した。
「マスター、ほんとうにおそい」
「ごめんごめん、つい見て回っちゃってね」
「それよりもマスターこれ、どう?」
そう言うとアスは手に持った純白のワンピース水着をこちらへ見せてくる。
「いいんじゃないのか?アスにピッタリな水着だと思うぞ?」
「ふふん、そうでしょー。それじゃあしちゃくしてくるからマスターはそこでまっててね、のぞいたりしちゃだめだよ?」
「覗かないわ!!」
〜〜〜
「マ、マスター……どう?へん、じゃない?」
「いや、変どころかめっちゃ可愛い」
「ッ!!そ、そう……なんだ」
正直水着はビキニとかよりもワンピース水着とかの方が好きなんだよなぁ……いや、こんな話は置いておいてさっさと買ってファル達のところに帰らないと。
「アス、その水着でいいんだよね?」
「うん」
「すみませーんこれ買いまーす」
「マスターに可愛いって…………ふふふっ」
アスはボソリとそう言うと水着を買って店を出ていったルアンをニコニコとした表情で追いかけていった。




