ミッk……ミカドネズミ
日もまだ上がりきらぬ早朝、俺達は竜車を出てエメラルドグリーンの街にある冒険者ギルドへと来ていた。
「ルアン、今日は朝早いねぇ?」
ここ数ヶ月で変わった事はいくらかあるが特に変わった事と言えばギルドを始め街の人との交流が増えある程度の人とは話せるようになったことだ。
「はい、今日は少し遠出して色々な討伐系クエストをこなそうと思っているので」
「まだまだ子供なのにえらいねぇ、あたしゃ若い頃は簡単なクエストぐらいしか出来なかったもんだよ」
受付を担当している少しふくよかなお姉さん(少しお姉さんすぎるが)が気さくに話しかけた。
「何を言ってるんですか、ナッタテさんは昔A級クラスのモンスターを倒したらしいじゃないですか、それに比べたらまだまだですよ」
「それは黄金時代だよ、今じゃすっかりこのなりさ。さ、そんな事はいいから受けるクエスト持ってきな」
ナッタテさんに言われたとおりにクエストボードから手頃なクエストを選ぶとカウンターへと持っていく。
「ナッタテさん、これ受けます」
「あいよ、頑張ってらっしゃい」
「行ってきます」
〜〜〜
と、いうわけで竜車に乗りサッサレ草原へと到着した。
そこは草原と呼ぶにふさわしく、地平線のかなたまで緑が続いていた。
「ルアン、見て見て!!」
「ファル、はしゃぎすぎだよ」
「そんなことない、わたしもどうかんしちゃうくらい」
「凄い……です」
「…………」
一名ビビって外見れてねーぞー
怯えて引っ付くケトの頭を撫で落ち着かせてやるとファルに着陸するよう指示を出す。
指示を聞いたファルは地面へ向けて急降下━━
━━という事をするのは辞め乗る人のことを考えておりてくれるようになった。
「さて、ドドリアさん、ザーボンさん?行きますよ」
………………あれ?返事がない、ただの屍か?
「マスター、そのひとたちってだれ?」
ネタにマジレスで返してくるアホがあるか畜生。
俺はその言葉を心の奥底へとしまうと今回のクエストについて説明する。
クエスト内容はサッサレ草原に大量繁殖したミカドネズミの討伐だ、これはちょっとした情報だがミカドなどと着いている理由は昔この世界に来た日本人が由来らしい。
なんでもそのネズミは魔法の研究に没頭していたミカドの特殊な魔法薬を飲んだせいで巨大化し性格も荒くなり凶悪なネズミへと進化を遂げてしまったのだとか。
今回はこの大量発生したミカドネズミを退治し生態系を守るために自然愛好ギルドが出したクエストなのだという。
「さぁ、張り切ってミッk……じゃなくてミカドネズミ退治だ!!」




