迫り来る二つの二人組
アス達が部屋へ入るとシファーは半泣きでアス達の元へと飛び付く。
「アスさん助けてください……ぐすっ」
「え、えっとシファー?ど、どうしたの?」
事の一部始終を目撃してしまったアスはシファーの凶器を警戒しながらもシファーの呼び掛けに答える。
「私ファルさんを助けようと焦ったあまり何も説明なしでルアンさんをファルさんの夢に送ってしまったんです」
アスはシファーの言葉を聞きルアンを観察してみる事にした。すると外傷はなし、苦しんでいる様子もなし、ただいつものように寝息を立てて寝ているだけだった。
嘘を言ってる訳では無いしシファーはそんな子じゃないから信用しても大丈夫だね。
「ねえシファー、わたしマスターとファルをたすけにいってくる」
「あっ、それならメアちゃんも連れて行ってあげて?」
「「?」」
シファーの一言にメアとアスは首を傾げシファーを見る。
「えっとー言いづらいんだけどアスちゃんだけだとちゃんと教えられるか心配だからメアちゃんにも行って欲しいなーって……」
「わかったー、メアちゃんいっしょにいこ?」
アスは軽く了承するとメアの腕を掴んでシファーの方へ歩いて行く。
「シファー、それでマスターに何を伝えてくればいいの?」
「ええと、ファルさんを起こすには目が覚めるような刺激を与えればいいという事とファルさんの状態がどんどん悪化しているという事です」
アスとメアはシファーの話を聞き頷くとピコッという音とともに夢の中へと入り込んでいった。
〜〜〜
燃え盛る瓦礫をおしのけやっとの事でファル達のいる広場へと来ることが出来た。
先程のように屋根を伝って行こうとはしたがファルに近づくに連れて炎の火力が激しくなっているため屋根を伝うともろに炙られることになるため断念したのだ。
「全く、近くで見ると尚更でかくてやになるわ」
俺は目の前の巨体に向かってそうボヤくと抜刀し、いつでも斬れるよう構える。
「こんにちは、家の燃える良い天気ですね邪竜さんと反英雄さん?」
俺は害悪二人(一匹?)にそう言いながら口を吊りあげ嗤いかける。
すると害悪二人組はこちらへ向かって猪突猛進に突っ込んでくる。
「真っ直ぐに突っ込んでくるとか馬鹿かよ、そんなの簡単によけ━━━」
「わーマスター、どいたどいたぁー」
「ご、ご主人様、危ないです!!」
おかしい、聞こえてくるはずのない声が頭上から聞こえて気がs…………
はい、いました最悪のタイミングでアスとメアが空から女の子が!!状態で。
「ウグルアアアアア!!」
「マスター」
あ、これはもうどうしようもねえや
俺は大人しく二方向から来る馬鹿もの達の突進を受ける事にした。




