意識を刈り取るピコハン
一昨日は更新出来ずすみませんでした!!
暴走するファルとルアンを置き、俺は悲鳴の元へと向かうことにした……のだが。
「悲鳴は聞こえるのに人っ子一人いない?」
その異様な光景に戸惑っていると周りの建物が曖昧になってきているのに気づいた。
ある家は輪郭がボヤけ、ある家は屋根が出たり消えたりを繰り返し、ある家は宿屋になったり鍛冶屋になったりとそれはまるで不確かな記憶を見ているかのようだった。
まるで夢みたいだな…………夢?
えーっと?確かここに来る前はファルの楊子が変でどうにかする為にシファーを呼んで…………
ふと出てきた言葉にこの状況になるまでの記憶を遡って考える。
ボヤける建物、いるはずのない反英雄ルアン、人のいない街の悲鳴………………やっぱりこれはファルの夢なのか?
今までのことを踏まえ考えた結果その結論に至る。
もし夢だとしてどうやってファルを助けるかだ、もしこの悪夢のせいでうなされて起きないならこの夢を覚まさせるしかないのだが……
どうすれば起きるのかなんて聞いてもいないし知りもしない。
それを考えたら今の状況最悪じゃないのかこれ。
シファーに教えてもらえばよかったな。
一方その頃シファーは
「ど、どどうしようファルさんの起こし方言うの忘れてた!!どうしよう……ここは私が一緒に行くしかないのかなぁ、でももしルアンさんまでうなされる事になった時起こす人がいないとダメだし…………ううぅぅ」
一人あわあわしていた。
〜〜〜
「おお、すごいなぁ。ばしゃみたいなのになかみはおうちそのまんまだねー」
「え、えっと…………かってに入ってよかった、のでしょうか?」
「だいじょうぶだよーたぶん」
メアが心配そうに問いかけるがアスはそれを呑気に返す。
さて、メアちゃんを連れてきちゃったけど中に入ることは出来たね。
ファルのあの時の邪気、ちょっと危ないものが出てき始めてるって事だよね。
アスはファルのうなされている時の様子だけで大体のことを察しルアンが何とかしようとしているのを読み取り手伝いに行こうとルアン達のいる部屋に入ろうと扉を少し開けた瞬間シファーがハンマーのようなものでルアンの頭を叩くのが目に入った。
しかも叩かれたルアンはピコッというハンマーの音と共にピクリとも動かずに倒れ伏せているだけだった。
シ、シファーとあのハンマー怖い。
その光景を目のあたりにしたアスは部屋になかなか入れず結局部屋に入ったのはその約十分後だった。




