市長との対面
現在進行形で燃えている船長を消火すると治癒魔法を使ってある程度損傷を治す。
その後首の骨と骨の間に上手く下っ端の剣を入れていく。
すると食道や気管が突っかかったことを除けばすんなりと首を切る事が出来た。
まだ死にたて焼きたてでホヤホヤだがとっくに心臓は止まっているので首から血はそこまで出てこなかった。
「うげぇ、よくそんなひメェーこと出来るな」
「こいつがクソッタレってのもあるが基本俺は死体なら容赦なく壊すぞ?」
「ルアン、その情報はいらないよ…… 」
シー・プゥへ俺がそう答えるとイガラシは苦笑いを送る。
「羊~ここの一番偉いやつのところに案内してくれ」
「わかったが羊じゃメェー、シー・プゥだ」
嫌々ながらもシー・プゥは道案内を始める。
最初はこいつらマジメェーの反英雄かと思ったが会ってみたらとんだポンコツじゃメェーか。
流石にこんな奴らに世界が破メェーつさせられることなんてメェーだろ。
シー・プゥは心の中で小馬鹿にしながらもルアン達を市長の元へ連れていく。
〜〜〜
「ここに市長がいるメェー、おメェーら失礼のメェーようにな」
「お前のその言い方が1番失礼な気がするわ」
「うるさいメェー、おメェー眠らせて空に放り投げるぞ?」
シー・プゥがそう口にした瞬間アスがピクリと動き床から拳を生み出し威嚇する。
「さ、さっさと行くメェー」
シー・プゥはその様子を見て目を泳がせながら市長のいる部屋へと入っていく。
「「あ、逃げた」」
「仲良いなあ二人とも……」
アスと声を合わせてシー・プゥにこの台詞を送るとファルが少しだけ嫉妬を込めて羨ましそうに言う。
「ん?ファルも入る?」
「遠慮しておくよ」
なのでファルも誘ってみたものの見事に却下された。
「さて、そろそろ真剣に入るか」
気を取り直してドアの向こうへ入って行くと━━━
━━━床が消えた
次の瞬間には俺はスポンジのようなものが大量に敷かれた穴の中にホールインワンしていた。
「おいコラどういう事だ!!」
「君がルアン君だよね?」
怒鳴る俺に対して落ち着き払った声で質問が来る。
「そうだ、だからどうしたんてんだ!?」
「今ステータスを調べさせてもらっている…………やっぱりか。ルアン君、邪竜の加護を持っているね?一つだけ聞こう君と邪竜との関係は?」
「家族だ、それ以上でもそれ以下でもない。それと、俺は仲間が傷つけられない限り人は殺した事ねぇぞ」
市長からうーん、という唸り声が聞こえたあと俺はシー・プゥによって穴から引きずりあげられた。
「一応嘘入ってないみたいだからね、厄介な空賊達を抑えてきてくれたんだろ?市長としてこの都市を救ってくれた人達をないがしろにするのもどうかと思うからね、これからはちょっかいは出さないよ………………君が悪に染まらない限りは」
「そんときゃあれか、僕は悪いスライムじゃないよ!!とでも言えばいいのかな?」
…………あれ?いや、反応してくれないとこっちがすっごく困るんだよな!?
何?お気に召さ無かった?
「君は日本人なのか?」
「あれ?その反応、まさか?」
「「異世界人か!!」」




