一日ファイアーファイター
日が落ち辺りは紅色と染まる、それはまるでこの辺り一帯が燃え盛っているようだった。
……………いやこれ目の前の家燃えてるじゃねぇか。
ああ…どうしようか、一番手っ取り早いのはここの酸素、と言うか気体全部無くすのが楽なんだが………。
これ中に人いるよな、絶対。
「誰か家の中にいる人を助けてください!!」
やっぱりこうなるよなーって事はまず━━
━━グラド君の力で地面の壁を張る。
地面が壁になるイメージをするとその通りに地面が動き燃えている家の四方八方を塞ぐ。
「さて、ここからが一番めんどくさい」
俺はそうボヤくとドアをヤクザキックで蹴飛ばすと中へと入っていく。
その時勿論姿勢は低くして煙を吸わないようにする。
火事の時一番危険なのは火でも落下物でもなく煙なのだ。
煙が危険だと分からないと目に見える危険だけを避けることに夢中で自分が毒に頭を突っ込んでいることに気付かない。
という訳で、もし火事になったら一番に煙に注意しよう!!煙は一酸化炭素中毒の危険だけでなく肺まで焼かれる可能性があるからね!!
と、ひとしきりふざけた所で現実に戻ろう。
俺は家の中に入った後人目を確認して『時の無視』を発動させる。
幸い今日は特に魔法も何も使ってないのでじっくりと探せる程魔力に余裕はある━━
━━とか数秒前に言ったやつはどこのボケだ?!
何故か今回は魔力がいつものようにゆったりとした減りではなく蛇口を二〜三回捻ったようにある程度の速度で流れ出ている。
これはきついな………仕方ない。
『時の無視』解除
これしかないだろう。
俺は手を前に突き出すと次空間魔法を使い掃除機の要領で、家の酸素と一酸化炭素だけを吸い込むイメージをする。
すると開いた次空間へと物凄い勢いで気体が吸い込まれていく。
頑張って耐えてくれよ見知らぬ人!!
空気を吸い込むとみるみるうちに火力が弱まるが火は消える事無く燃え続ける。
しかし、酸素と一酸化炭素を吸い込む事により煙という名の毒ガスを取り除くことが出来た。
おかしい、なんで未だに燃えているんだ?
そんな事考えている場合じゃない、早く助け出さないと!!
自分の顔の周りに空気のドームを作り出すと手遅れになる前に急いで見つけ出す。
もうなりふり構ってられるか!
俺が投げやり気味に拳をドアにぶつけるとドゴンという音を立てドアが木っ端微塵になる。
おかしい、この火は何なんだ?!酸素が無いのに燃え続けてる
ってのか?!
また思考に入りそうになったその瞬間、か細い風がそよぐような音が聞こえた。
「……けて………たす……けて………」
この部屋にいるのか!目的がいることを確認するとこの部屋に酸素を戻す。
酸素を戻したことにより火の勢いは上がってしまったがもう既にそれに関してはどうとでもなる。
目的の人を肩に担ぐと
「頭を守っといてくれよ?危ないからな!!」
と忠告をし、助け出した人が頭を守ったことを確認すると━━
━━ガシャン
窓を拾い上げた瓦礫を投げ割り、そこから飛び出し家から脱出する。
その後は助け出した人に感謝の言葉を貰い晩飯に遅れると何を言われるかわからないのでそそくさとアジトへと帰って行くのであった。




