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読書回

古本特有の癖になる匂いが鼻を通り抜ける。


鼻腔に広がるその大好きな匂いをめいっぱい感じながらこの街の図書館(ユートピア)の静寂を楽しむ。


さて、どの本から読もうかな?


見渡す限りの本の中から気になったものを複数ピックアップしてみる。


まず一つ『厄災をもたらす竜』


これは邪竜ファフニール、もしくはオル・グラドという事は言わずもがな。


次に『三賢者の会合』


これは知らないな、一旦保留。


最後に『剣山に眠る竜』というものだ。


この三つを一通り眺めた後、俺は『剣山に眠る竜』を手に取った。



〜〜〜



本文をそのままって訳にも行かないので少し砕いてこの本について説明する。(メタイ?ナニソレオイシイノ?)


これはこの世界のどこかにあるイレニア剣山という場所には竜身体が鋭い刃で覆われた中型の竜がいるのではないか、という言うなればUMAに関して書いてある本のようなものだった。


しかし、その可能性は馬鹿に出来ないらしい。

何しろその剣山には死体がいくつも刺さっていてそれを食い荒らした形跡まであるという事だ。

そしてこの剣山はその竜が獲物を刺しておくために作り上げたものだと言う説が書かれている。


…………これモズの事だよな。


モズって狩ってきた獲物を枝に刺して保存するみたいな話しよく聞くし。


よし、次行くか。




〜〜〜



『三賢者の会合』



この本はファフニールやルアンが暴れていた頃に最も力を持っていた三人の賢者達の話で三人はルアン達の暴虐を止める為にどのような策にするかという話し合いをその会合にいた者がそのまま書き写したような話だった。


ルアン達を止めるのにありとあらゆる魔法の情報を交換しあい、やっとの思いで見つけたのが永封魔法という魔法だ。


これは一時的な封印でしか無く、この封印はもって百年早くて十年で解けてしまうのだという。


そして、その封印が持続してる間に三賢者は封印が解けた時にルアン達を退治する『勇者』を探し出しているのだと言う。


次行ってみよう。



〜〜〜



『厄災をもたらす竜』


この世界には厄災をもたらす竜が七体いる。

名前を順番に挙げていく━━


━━

ファフニール

ヒュドラ

レヴィアタン

ヨルムンガンド

ムシュフシュ

バクナワ

クエレブレ


これがこの世界に災害をもたらした竜達だ。


次にこれらの竜がどのようなこИБЁИЁ……


RPGみたいなことを言うつもりは無いがこの先は掠れていたり見たこともない言語のため読めない。


どれも興味深いけど最後のに関してはより一層引っかかるな。


厄災をもたらすと書いてあるのにオル・グラドに関しては書かれていなかった。


これはオル・グラドがこいつらに比べてさしたる脅威ではない、もしくはこの本が作られたより後に現れたか。


出来れば後者であって欲しいと願いながら俺は日の落ちた街に出て行くのであった。

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