女神と堕天使
━━チャキッ
静謐が支配する空間にシファーの構えるレイピアから金属音が響く。
「なるほど、貴方はルシファーの仲間だったのですか」
「仲間だね、だからどうしたってんだ?」
「そうですか、勘違いだったら良かったのですが」
次の瞬間二振りの剣が右上と左上から襲ってくる、それを片方を射出したナイフ、もう片方を魂浄刀で受け止めようとする━━
━━がナイフは軽々と弾かれ二振りの剣が魂浄刀の刀身の一点に集中し小枝のように折られた。
「やはりこれが見えるのですか」
「ルアンさん?!」
刀の折れた音を聞いてやっと反応したシファーが声を上げ俺の元へ駆け寄ってくる。
「大丈夫だよ、刀が折れただけだ」
俺がそう言うとシファーはホッとした様子を見せアテナを睨む。
「ルアンさんは全種族に平和をもたらしてくれる人です、そんな人に手を出させる訳にはいきません」
「そうですか、一つ言っておきます。ルアンさん、貴方には才能がありません、剣術も魔法も全て中途半端にある程度です。それこそ何故ここまで生き抜けたのか不思議な程です」
「お褒めに預かり光栄で「ですが、そろそろ貴方の命の灯火が消える頃だと思いますよ」
アテナはそう言うと陽炎の様にゆらゆらと輪郭が歪み消え去っていく。
「そろそろって第三の試練のことか?」
「さぁ、どうでしょうね?あ、それと試練に打ち勝った褒美は用意しておきました」
「それはどうもご親切に、また今度」
俺がお気楽そうにそういうとアテナは困ったような顔をしながら 調子狂いますね と残し消えていった。
「あーぁ、折れちゃったなー」
「アテナ様相手にそれだけで済んで良かったですね」
敵勢力の神様に敵ですよーって言ってこれだけで済んだのだからまぁ、良かったのか。
俺が思ってるだけかもしれないがすこーしだけ仲良くなっちゃったからな。
相手はどう思ってるかはわからないけどあまり敵対したくないな。
「それで?シファーとアテナはどういう関係かな?」
「し、知りません」
「しらを切るな、異世界人ってわかった瞬間俺を見る目が変わったぞ?」
「さ、さぁ?な、何のことでしょうね?」
「あれか、シファーの事だからどうせアテナに背いた時異世界人を呼んで助けてもらうからいいですよーだみたいな事言ったんだろ 」
「ち、違います!私は異世界人の中から全種族の平和の架橋になってくれるような人を連れてきてやるって言ったんで………」
「はい有罪」
「んなぁ?!」
シファーに対阿呆娘専用兵器を使おうと手首を掴み引き寄せると
━━ガチャ
そのタイミングでファルが入って来る。
「ルアン………どういう事かな?」
「あ、あれ?ファルサン?」
「なぁに?」
「ナンデソンナニジリジリトヨッテクルンデスカ」
「何でってぇ」
ファルが軽く床を蹴り飛び上がり━━
━━ガジッ
俺の首筋にはファルの歯形が残ることになった。




