オル・グラド④
背中へ複数の衝撃が走り思わず口から叫び声が出てしまった。
や、やるではないか……いや、我の注意が散漫していただけか。
此奴いや、この者は我の意識を自分へ向け我の注意を散漫にしていたな?
それにあのクレイスターダストを受けてもなお無傷、これは期待がもてそうだ。
「うげ、あんなの食らって笑ってやがんのかよ……」
『それは貴様こそ同じであろう?』
「こいつ、直接脳内に?!」
『貴様ふざけているな?』
「い、いえ?そ、そそんなことありませんよ?」
━━踏み潰してやろうか
〜〜〜
やっぱりネタが通じないのは少し悲しいな、だがこいつが話しかけてくると言うことはだいぶダメージを与えたという事になるな。
何しろあいつにはある呪縛がかかってるからな。
昔オル・グラドは人々や動植物の守り、減らし生態系を守っていた。
それは最高神により出された名によるものだがオル・グラドはその名を快く引き受け忠実にこなしていた。
しかし、それを見たファフニールは神に飼い慣らされる飼い犬のような情けないドラゴンだと言い俺では無いルアンにオル・グラドへ呪縛をかけさせた。
それは生きとし生けるものを壊し生態系を根本から壊すというものだった。
それ以来オル・グラドは暴走し神々は最高神の名を受けたドラゴンを手にかける訳にも行かず見ているしかなかった。
しかしその呪縛にも解除の方法があった、それはオル・グラドを瀕死に持ち込むことだ。
瀕死に持ち込むことで生命力が弱まりそれと共に呪縛の力が弱まり呪縛が消えると言われている。
と、この話が本当ならこの行動を見るにだいぶ生命力を削ったみたいだな。
『残念ながらまだ我の呪縛は完全には解けきってはいない、そう言えばもうあとは分かるであろう?』
まだ戦えやって事か……
「アガナ、イガラシは右サイド。ファル、ニーシャは左サイドから叩け!正面は俺とケトで行く!」
「「了解」」
『クククッ、クハハハハハ!!面白くなりそうだ!!』
こいつ、もうほとんど呪縛解けて楽しんでないか?




