オル・グラド
今回も更新が遅くなってしまいすみませんでした。反省はしてます。
乾いた風が吹き抜ける、その風は微かに血の香りを漂わせていた。
そんな中俺達は岩陰に潜み話し合いをする。
「近いな」
「あぁ、みんな作戦は覚えてるな?」
「「勿論」」
「じゃあ、各自死なないように。行くぞ!」
号令と共に全員が岩陰から飛び出し両サイドに別れていく。
「いたぞ!アイツでいいんだよな!」
「アイツだ!気ぃ引き締めとけよ!」
大声で叫びながらアガナと会話するとこちらに気付いたオル・グラドが咆哮をあげながら俺のいる方へ腕を叩き付ける。
ドゴッという岩を粉砕する音と共に岩が飛び散りこちらへ飛んでくる。
『エアブレイド』
空気を圧縮させ刀に付与させる事が出来る魔法を使い数メートル先の岩を水平に切り裂き岩が上下に割れる。
しかし、二つに割れてもなおこちらへ向かってくる。
下の岩は蹴りを入れ地面に埋め、上は掌底で頭上を通るように軌道を逸らし吹き飛ばす。
「二人とも頭は無事か?吹き飛んでないよな」
「大丈夫」
「余計なお世話なんだです」
元気そうな声が後ろから聞こえてきたことに安堵し口を少し吊り上げると気合いを入れ直し
「おっしゃ!作戦開始だ!」
〜〜〜
人間とはこれほどまでに無能なのか、我とこヤツらでは埋まることのないほど力の差があるというのになぜ向かってくる。
それに比べルアン殿は戦うべき相手を分かっておった、もうかのような人材はこの世にはおらんのか。
我が物思いに耽っていると人間達の方に動きがあった、此奴らはどうやら両側から回り込んで攻撃をするつもりのようだ。
フン、小賢しい真似を。
しかし、先程の無能立ち寄りは分かっておるな。
我は腕を振り上げ人間達へ向け思い切り振り下ろす。
本来ならこの行為は悪手である、対等な能力を持ったものが相手ならその隙を狙われ傷をおうことになる。
しかし此奴らは人間、対等な能力を持っているはずなど無い。
見れば我の振り下ろした腕が地面を砕きその破片が人間達へと飛んでいっている。
これで此奴らは終わりだ、次は反対の人間だ。
岩の着弾音を聞き先程の人間の死を確信すると後ろに迫っている人間達へと尻尾での薙ぎ払いを繰り出す。
それを人間共は軽々と跳躍する事で回避するがそんな事は計算済み、そこへ遠心力を乗せた腕の薙ぎ払いを繰り出そうとするがふと背後から殺気が我へと刺さる。
その殺気を避けるように空へと飛ぶと我の体があった場所に巨大な空気の刃が通り過ぎた。
ほう、中々やるではないか。評価を改めてやらねばならんな。
刃の来た方向を見るとそこには我を前にしても怯えぬ強者の目をした者がいた。




