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悲惨な結果

━━それは悲惨という言葉以外どうとも言いようがないものだった。


「うおおおおお!!」


ゴオルが唸りを上げ一匹の巨大なドラゴンへと走っていく。


「援護します!『エクスプローラー』!!」


細身の男が放った爆破魔法は見事ドラゴンに当たり膨大な熱量を持った爆発とともに砂煙を舞い上がらせる。


「ど、どうだ?!」

「んなしょぼいのじゃそこまでダメージ入んねぇよ!!もっと絶え間なく撃て!!」


ゴオルの言葉を聞いた男はそんな訳ないと油断をしていた、故にドラゴンの繰り出した弾丸の如く飛んでくる岩石を避けることが出来ず肉が弾け飛び骨が粉砕される音を立てただの肉片へと変貌した。


「う、嘘だろ」

「んな事ほざいてねぇでさっさと相手を見ろ!同じ事になるぞ!」

「Gurrrrrrr!!」


雄叫びと共に振り上げた腕をゴオル目掛け振り下ろすとドラゴンは口元で何かを作り出す。


「おいおい、まずいぞお前らさっさと障壁なりなんなり張れ!!」


しかし、その忠告をした時には既に発射準備は出来ていた。


「クソが!持ってくれよ俺の鎧!!『城壁の鎧(キャッスルウォール)』!!」


ゴオルのスキルとほぼ同時にドラゴンの口からひとつの光線が放たれる、それは赤くただひたすらに熱くマグマを連想させるようなものだ。


「ぐっ、これはまたあいつに会うことすら出来ねぇかもしれないな……よく死に際に走馬灯だのなんだのが見えるとか言うがそんなもん何も見なかったな」


ゴオルが呟いた瞬間障壁が弾け飛び光線の中へと消えていく。


それを見届けたドラゴンはただひたすらに歩みを進めていく、ドラゴンにとってゴオル達は羽虫同然のものだったのだ。


このチームは実力は足りていた、しかし連携や相手を警戒する力がゴオルを除いてかけていたのだ。

故に実力で言えば五分五分の相手にも勝てなかった。


その光景を見ていた中堅冒険者達はドラゴンが通り過ぎたことを確認すると急いで冒険者達の亡骸や遺品を回収しすぐ近くの街へ引き返して行った。


『また我を解放することの出来る強者はいなかったか。ルアン殿、何故我をこのような殺戮者へと変えたのだ。いや、それもこれも全てあの邪竜(ファフニール)の力、ルアン殿は悪などでは無い。この我を助けて下さったルアン殿が悪であるはずが無い!!』



中堅冒険者達が街へ戻るとドラゴンとの戦いを報告し運搬していたものを全てギルドへと明け渡した。


これはその中の一人、モンスターテイマーの言葉だが彼曰く。そのドラゴンは悲しみに明け暮れた目をしていた、との事だった。

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