お出かけ前の朝
「ルアンさん、私を除け者にしてあんな事してくれちゃって。いくら私でも怒りますよ?」
俺は今眠った事によってシファーのいる白い不思議な部屋へといている。
そして、俺の目の前にはムスッとした顔をしたシファーが立っている。
「さて?なんの事かなぁ?」
「へぇ、そんな態度とっちゃうんですか?今からメアに頼んで寝ているあなたにナイフの一つや二つ突き立ててもらいましょうかね」
「はい、すみませんでした調子に乗ってすみません。なのでナイフを突き立てるのは勘弁してください」
俺の態度の変わり方にシファーはくすくすと笑うと人差し指をこちらへ向けてウインクすると「なら明日のお買い物に一緒について行きます」と悪戯に笑って見てくる。
「これが狙いか、まぁ人数は多い方がいいしな」
「決まりですね!」
正直女の子用の服屋に入ってくの恥ずかしかったしここはシファーに任せても━━
━━そう思った矢先私の服も選んでくださいね?というシファーの声が聞こえてくる。
ですよねーそうなるとは薄々思ってましたよ。
「じゃあさっさと起きて出かけますか」
「ですね!」
「「おはようございま~す」」
こっちに来る前なら恨めしく思った朝日に小鳥達のモーニングコール、もう既に起きて元気に遊ぶ子供達の声、こっちの世界に来てからはそんな小さな事が平和だな…と思わせてくれる。
「ルアン(さん)おはよう(ございます)」
まだ少し重い瞼をあげ体を起こすともう既に用意を終えたファルとシファーが立っており別の場所からは何か慌ただしく動いている音が響いてくる。
「ん、おはよう。騒いでんのはアスか……」
二人に挨拶を返し着替えを始める。
「え?ちょっと、ルアン?!」
「ん?どした」
「え、いや……そ、外でてるね!」
「私も出ておきますね」
別に見られて減るもんじゃないしそんな大急ぎで出ていかなくてもいいのに。
寝起きで頭がろくに働いていない俺はそう思いながら着替えを済ませる。
「ふあぁ……朝飯はどうすんだ?」
「あ、着替え終わったんだ。朝ごはんは街の方で食べよ?」
「いいね、じゃあアスが来たら街に出て朝ごはん食べるか」
「賛成です!」
「アスー急いでねー」
「まって、なにをもっていけばいいのかわからない」
「何も持ってかなくていいよ、俺がちゃんと持ってるから」
「ならすぐいく」
「アガナー俺らでかけてくるわ、流石に夕飯までには戻る」
俺達はそう言うとアジトの扉を開け街へと繰り出していく。




