料理対決1
その日の夕方、夕食の用意を何故か俺とアガナでやることになっていた。
「お前料理出来んのか?」
「お前こそそのなりじゃ出来なそうだが?」
驚く事にここでの食事当番はアガナがやっているとの事だった。
絶対美味くない料理が出てくると思った俺は率先して料理を担当する事にしたが……
「んだと?なら勝負でもするか?」
「ああ、いいじゃねぇかあいつらにうまいって言わせた方が勝ちだな」
「上等だこの切り刻み魔」
「やってやろうじゃねぇか地味野郎」
料理バトルが始まることとなった。
さて、意気込んだはいいが何を作るか…カレーはこの時点じゃできないしオムライスもあれだしなぁ……どうしようか、この時点で作れて何かあいつらが喜びそうなもの………よし、あれに決まりだな!
あいつ、こんな事になったがほんとに料理出来んのか?
いや、今はあいつらが喜ぶもんを作るそれだけだな。
俺は材料であるブロック状の肉、卵、パン、玉ねぎ(に近いもの)、ミルクを取ると作業を開始する。
まず玉ねぎをみじん切りにするため次空間魔法から速度をつけていないナイフを取り出す。
「便利だなその能力、ひとつ俺にもナイフ寄越してくれよ」
「ほらよ」
「ありが……危ねぇな!?」
アガナのまな板に向け少し勢いの付いたナイフを射出すると自分の作業に戻る。
さっさと済ませてファル達に食べてもらおう。
━━トトトトトッ
持ち前のステータスで素早く玉ねぎをみじん切りにすると次はブロック状の肉を図書館で覚えた氷魔法で軽く凍らせ細切れにしていく。
それを円柱型の入れ物に入れるとこれまた図書館にて覚えた『炸裂風』という風で物が切れるという馬鹿げた魔法を使い肉をひき肉へと変えていく。
その作業をしている間にフライパンに似た容器に玉ねぎを入れ火をつけ焦げないようにチラリチラリと確認をする。
「面白いことしてるな、それでなにか出来んのか?」
「うっせぇ、黙って自分のやってろ」
「連れねぇなあ?」
「そっちこそそんな喋りながらでいいのか?」
「俺は腕が違うんだよ」
アガナはそう言うと鍋に何かを入れて蓋をする。
「終わりか?」
「あとは少し待つだけだ」
「はえぇな、こっちはまだパン粉すら出来てねぇしな…」
「は?パン粉?何だそりゃ」
「あるもののパンを使った材料さ」
「ほう?そりゃ楽しみだ」
互いに笑みを浮かべ自分の勝利を確信していた。
あと一、二話料理対決が続くと思います




